既存の枠にとらわれない革新的な存在、「ちゃんみな」
ちゃんみなは日本語、韓国語、英語を自在に操るラッパー、シンガー。高校生のとき「高校生ラップ選手権」に出演し、その名を轟かせます。しかし、有名になるにつれ、ちゃんみなの容姿についての苛烈なバッシングが巻き起こるようになります。
「『美しい』とか『美しくない』ってことを人生で結構言われてきたタイプだったので、そこからアーティストとしてデビューして世間に名が一気に知られるようになって。その当時のYouTubeやSNSのコメント欄の多くが、私の見た目への批判だったんですよ。その時の傷とショックも大きくて。」
「『なんで私は音楽をやってるのに、見た目に対してこんなにも言われなきゃいけないんだろう』って。音楽自体じゃない見た目のことを言われる悔しさは、人一倍味わってきたと思いますね。」
(『FNMNL』【インタビュー】ちゃんみな『美人』「私は4年前に一度死んだ」)
過度なダイエットで体調を崩したこともあるちゃんみな。容姿への中傷を乗り越え、独自の「美」を確立してきたんです。そんな体験から生まれたルッキズムをテーマにした楽曲「美人」は、THE FIRST TAKEで披露されると大反響を呼び、その再生回数は2000万回に迫るほど。若い世代を中心に絶大な支持を集めています。今年3月に行われた単独アリーナ公演「AREA OF DIAMOND」では、舞台上でメイクをすべて落とし、すっぴんで歌うパフォーマンスを披露しました。ちゃんみなは本気でルッキズムと戦ってきた人だと思います。でも、ガールズグループやアイドルは今でも過度なダイエットを強いられたり、細いというより細すぎるくらいがスタンダードな世界。ゴリゴリのルッキズムの世界で、ちゃんみなはどんなガールズグループをプロデュースするのでしょうか。
ちゃんみなの存在は超革新的。感情を剥き出しにしたラップ、抉るような歌詞、自由なパフォーマンス。超個性的で独創的で、奇抜でど派手なアイメイクやファッション。どれをとっても、いままでこんな存在見たことないっていうものばかりなんです。
なんだか、日本の「美」って、すごく定義が限られているように思います。ちゃんみなって、いわゆる”普通の美の基準”からはみ出しまくっているんです。それでいてめちゃくちゃ美しい。人々の心を掴んで離さない不思議で強烈な魅力がある。
特に、日本の女性アイドルって、すごく画一的なスタイルだと思います。黒髪、色白、ぱっちり二重、かなりの痩せ型、清純派。それはそれで魅力的なんですが、あまりに似通っているというか。さきほど説明したように、ちゃんみなは独自のスタイルを貫いてきた人。そんなちゃんみながプロデュースするガールズグループなら、いままでの常識や当たり前を踏襲しない、新しい魅力を生み出してくれるに違いない、と期待してしまいます。
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