学生時代に初めてお付き合いしたもの同士、幸せな結婚をしたいずみさんと晴馬さん。しっかり者の妻と、少し人任せなところがあるのんびり夫のいいコンビとして、お子さんが産まれるまでは平穏な日々を過ごしていました。
夫の発言に気になるところはありつつも、育児休業に入ったいずみさん。ホルモンバランスが崩れ、子育てに対する責任感の強さも相まって気分が塞いでしまいます。ところが晴馬さんは他人事で、マイペースに友人と遊ぶように。
そしてある日、晴馬さんが唐突に「オープンマリッジ」を提案してきました。最近時々耳にするこの概念に則ると、夫婦間以外の性的な関係を許容、つまり自由に「性的関係を持つパートナー」を作れるとされています。
この一件で、晴馬さんの浮気を確信したいずみさん。密かに調査を開始しました。
妻:いずみさん(35歳)。クリニックにて医療事務スタッフとして勤務。
夫:晴馬さん(35歳)。製薬会社のMR。現場中心で比較的融通がきく勤務形態。
隠す気のない二人。しかも浮気相手まで……!?
「夫が入っているSNSのアウトドアコミュニティから簡単に足がつきました。むしろ隠す気がなかったんじゃないかと思うくらい、相手の女性は『匂わせ』投稿をしていました。見覚えのあるアウトドアグッズ、お弁当、日付と場所……最初はキャンプ仲間数人で行っていたのは本当でした。でも次第に、ソロキャンプ×2、っていう設定に。
相手の女性は20代前半のアジア系外国人で、なんと彼女も既婚者なんです。年上の日本人男性と結婚していて、隣の町に住んでいます。推察するに、若くして異国で働いていて結婚したけれど、夫婦関係は良好じゃなさそう。それで夫と仲良くなって、2人してのぼせてしまったんだと思います」
一息に当時の経緯を語るいずみさん。それまで冷静に話してらっしゃいましたが、SNSを駆使して夫の浮気調査をしたことは、自尊心を傷つける行為だったのでしょう、非常に苦しそうな表情でした。
それで晴馬さんに証拠を突きつけたのですか? と尋ねると、いずみさんは首を振ります。
「いいえ、そんな必要はありませんでした。オープンマリッジを標榜する彼がみずから、彼女のことをばらしてきたんです」
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