フリーアナウンサーの住吉美紀さんが50代の入り口に立って始めた、「暮らしと人生の棚おろし」を綴ります。

年間260日生放送をしている私の切実な「健康キープ法」。どこでも首にタオル、人間ドックは推し病院で【フリーアナウンサー住吉美紀】_img0
 

先日、恒例の行事、今年の人間ドックを終えてきた。その場で来年の予約も済ませ、今年のタスクまたひとつ完了にホッとする。若い頃は、健康診断は会社に言われるがままに受け、結果の受け止め方についても”なんとなく”で、ずらっと並ぶ数値を見ても思考が曖昧模糊としていたなあと思う。
 

 


フリーランスになり、歳も重ね、いろいろなことが自己責任と自覚するようになった50代、気づいてみれば自分なりの健康診断ノウハウ、健康キープ・メソッドが作り上げられてきた。健康を維持していくことに、より主体的に向き合うようになった。しかし、周りの同年代や後輩女子たちには、健康診断について「どうしたら良いかわからない」「億劫でやっていない」という人があまりに多く、危機感を覚えることが少なくない。そこで今回は、人間ドックや健康診断について棚卸ししてみたいと思う。

まず、なぜ私はここまで意識が上がったのか。その大きなきっかけは、今の仕事によるところが大きい。ラジオの生放送を年間260日以上担う状況が13年目を迎え、とにかくマイクの前に毎朝座れるように、健康を保たねばならない。

「淡々と、しかし確実に毎日」というのが慣れないうちは意外と大変で、最初の1、2年は、やれインフルエンザだ、やれ扁桃炎だと倒れ、スタッフにも迷惑をかけた。これではいけないと、マニアックに細かく体調管理をするようになった。

もともと、自分の体の観察は得意だった。20年以上親しんだヨガでも「あ、前屈した時の膝の裏の突っ張りが先週よりわずかに減り、指ひと節分ほど深く行けるぞ」など、体のわずかな変化を内側から観察する癖がついていた。同じ要領で、普段の自分の体にアンテナを張り巡らすようになった。

声を出す仕事なので、喉から潰れることが多く、首を冷やさないよう必ず何かを巻く習慣がつき、手拭いを巻いたまま地下鉄に乗ったり街を歩いたりすることにも抵抗がなくなってしまった。もしもわずかでも違和感を覚えたら、すぐに水溶性アズレン液でうがいをするか、同・喉スプレーで消毒。この時、口の中が切れて別の痛みにつながるから、のど飴は多用しない。

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タオルを首に巻いて暮らす私。

夜寝る時も必ず首にタオルを巻き、特に冬は、マスクをしたまま寝るか、「結露上等!」の勢いでガンガンに加湿器を稼働。それでも喉が腫れかけているような痛みになってしまった場合は漢方薬の「銀きょう散」を、鼻水が出る場合は「小青竜湯」を、早めに、集中的に飲む。

「小青竜湯」は、落語家の故・柳家小三治さんに『プロフェショナル 仕事の流儀』でインタビューした時、「飲むだけでなく、喉が痛くなりかけた時のうがいにもおすすめ」と直接プロの技を教えていただき、それ以来、愛用している。