ケリーがうちに来た時、フトシはおっとりとしてフレンドリーなので、ケリーに近づいていきました。それなのにケリーはシャーシャー警戒しまくり。先住フトシに対する愛着がある私は、「フトシがこんなにフレンドリーに接してくれているのに、なにこのメス猫!」とイラっときてしまいました。でも1週間もすればすっかり仲良しになりました。
ケリーは私には甘えん坊なのですが、人が来ると隠れてしまいます。元気いっぱいだったのですが、1歳の時に猫じゃらしで激しく遊んでいる最中に、泡を吹いて失神したことが2回もありました。慌てて病院で検査をしましたが、原因は判明せず。以来、怖くなって遊びや運動を控えていたら、いつの間にか9kg超えのデブ猫になってしまいました……。3年前には、体重が重いせいで後ろ足に炎症を起こしたため、厳しい食事制限を行い、今は6.2kgまで減量しました。2匹がお互いのご飯を食べないように監視し、1日5回にわけて少しずつ食べてもらうようにしています。
一方のフトシは、デブにはなりませんでしたが、病気は結構しました。1歳の時に免疫異常の一種である好酸球性肉芽腫症候群を発症。これは潰瘍などができる病気で、ステロイドなどを投与しました。年齢を重ねると、免疫力が低下していくからか、すっかり落ち着きました。
3歳の時には三臓器炎が発覚し、2週間入院した時は正直だめかと思いました。ある朝、嘔吐と食欲不振があり、救急対応の動物病院に駆け込みました。血液検査とレントゲンでは判断がつかず、一旦帰宅。どうしても外せない仕事に行かざるを得ませんでした。帰宅すると、フトシがトイレの猫砂の中でぐったりとしていたので、すぐに病院に連れて行ったところ即入院になりました。連日、私や友達が病院に通い、治療のかいあって、入院中にめきめき回復。この時、ペット保険に加入していたので、本来なら100万円以上かかった治療費は9割保険でカバーされ、本当に助かりました。
その後のフトシは、特に大きな病気をすることはありませんでした。でも、今年9月に元気がなく、食欲も落ちていたので動物病院で検査をしてもらいました。血液検査に異常はありませんでしたが、レントゲンで片方の腎臓の萎縮と関節軟骨の石灰化が見つかりました。今は元気になったものの、確実に老化が進んでいることを思い知らされました。
2匹との生活も10年以上が過ぎ、私も働き方を見直して転職し、今は仕事をセーブしています。猫がいなかったら家で過ごす時間を増やそうと思わなかったし、仕事を変えたのも猫に合わせてのこと。フトシは私の気を引こうとしているのか、目の前でモノを落とす行動がなかなか直らず、ケリーは夜鳴きがあったのですが、私が家にいる時間が長くなったからか、彼らが歳を取ってきたからか、そうした行動も収まり穏やかな時間を過ごしています。
ペットショップでたまたま売れ残りの猫を見つけてしまってから14年、フトシが今の生活を幸せと思ってくれていたらいいなと思っています。その時一緒にいた友達は今も大切な猫仲間のまま。仕事で忙しい時や親の介護で大変な時は、お互いの猫を世話して、天寿を全うした猫を看取って、常に支え合う「猫互助会」が機能して、今に至っています。みんなフトシとケリーのことをはじめから知ってくれているので心強いです。
年齢的にそう遠くない先に、私も2匹を見送る日が来るでしょう。その時にならないと自分がどういう精神状態になるかわからないし、怖いのだけれど、猫仲間の力も借りて、責任を全うしたいと思っています。私もいい年齢で、コレステロール値や血圧が気になるようになりました。「一緒に頑張ろうね」とフトシやケリーと励まし合っています。
イラスト/Shutterstock
文・編集/吉川明子
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