日本科学未来館にて、2023年11月から常設展示としてスタートした「老いパーク」。「老いパーク」とはなんぞや!? と思いますよね。「老いパーク」は、老いとは何かを知り、老いを疑似体験できる場所なんです!

 

今回は「老いパーク」の企画・設計・開発を行ったクリエイティブスタジオ「Whatever」のクリエイティブディレクター・上條圭太郎さんにお話を伺いながら、老いパークを体験してきました。

 


「答え」の提供ではなく「問いかけ」の場に


老いを解決する最新技術を体験する、ということではなく、「老い」そのものを体験するつくりにした理由について、上條さんは次のように語ります。

展示について解説してくださった、Whatever クリエイティブディレクターの上條圭太郎さん。

「日本は世界で最も高齢化が進んでいる国。そんな中で、老いを“乗り越える”という方向性もあると思います。ただ、老いは乗り越えなければいけない問題かというと、そうでもない気もしていて。老いと向き合う、共に生きていくという考え方だってできるはず。解決すべきかどうかも、一人ひとりが考えて決めるべきなのかなと思っています」(上條さん)

老いについて、考えるきっかけをつくる「老いパーク」の展示は、とにかくカラフル! 丸で囲った「老」というキャッチーなロゴマークも目を引きます。

遊具がたくさん置いてありそうな楽しげな外観!

老いについて学ぶ場所と聞いて、もっと質素で真面目な空間かと思ったのですが、その見た目はアミューズメントパークのよう。

「老いって何歳から?」の問いに悩む私。この日は一般公開前の内覧会なのでマグネットは少ないものの、「その人が考える老いの年齢」はバラバラ。

「公園や広場をイメージしています。日本科学未来館の展示の中でも一番カラフルなエリアにしました。そもそも、老いという言葉を“ネガティブ”だと決めつけているのは社会かもしれない。人それぞれに老いに対する考えがあるわけですから、言葉が持つ意味そのものもアップデートできたら嬉しいですし、答えを提供する場ではなく、問いを生み出す場にしたかったんです」(上條さん)