フリーランスのライターなんて、いつまで需要があるかは神ですら知らぬ話。ただ60歳までなら、なんとか取材の現場にも出られる気はするし、こうしたエッセイやコラムの仕事をいただけるイメージはできる。だったら、たとえ月々の返済額がアップしてでも、一線で仕事ができるうちに完済したいと思ったのでした。


これは結構人によって判断が分かれるところで。30年ローンなら毎月の返済額はおよそ9万円。でも、20年ローンだと一気に13万円にアップする。だったら差額の4万円を投資にまわして資産形成を図ったほうがいいというアドバイスももらったし、その通りだなと心が傾きかけました。

ただ、これは僕の性格の問題なのだけど、NISAですらやろうと思い立って口座を開設したまま、すでに2年近く放置している極度の面倒くさがり。そんな自分がコツコツ資産運用に励むだなんて、あのちゃんが陽キャになるのと同じくらい無理のある話です。むしろ投資をやろうやろうと言いつつ後回しにして、浮いた3万円が飲み代に消えている未来のほうがよっぽどリアルに想像できた。

ならば、現役のうちにがっつり働いてローンを払い終え、60歳からは少し余裕を持って暮らせる状態をつくるほうが、仕事のモチベーションにもなるはず。ということで、一般的にはやや短めといえる20年ローンを選択しました。

正直、このジャッジが正しいかどうかは自信が持てません。詳しい人が読んだら、それは判断ミスでは……と思われる気もします。家を買うというのは、こうした今後の人生を左右する重大な決断の連続。不安と心配で、物件を買う前も買った後もメンタルが削られる場面が頻出します。

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そういう意味では、物理的な意味でも精神的な意味でも不要な荷物を背負いたくない方には、家を買うことはオススメしません。家を買うことは人生の安心を買うことだとよく言いますが、安心と同じくらい不安もセットで引き受けることになるというのが僕の実感です。

家は、重石。突風が吹いたときの支えにもなれば、溺れたときは命取りにもなる。どう捉えるかは、結局自分の経済状況と心持ち次第なんですよね。

とりあえず無事に60歳で完済できるよう、ミモレには末永いお付き合いをお願いしたいです!(真顔)

 
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『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』
講談社・刊 1430円(税込)
※電子書籍は、書き下ろしのおまけエッセイ付き。

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生きづらさを抱える人たちから、共感の声多数! “推し本”著者による人気連載が書籍化。

本屋に行けば「自己肯定感」をテーマにした書籍がずらりと並ぶ昨今。
でも、実際に自己肯定感の低さで悩む人にとっては、自分を愛することの大切さは理解しつつ「そんな簡単に好きになれてたら苦労しないよ…」というのもまた偽らざる本音でしょう。

本書では、自分が嫌いなことには誰にも負けない自信のある(?)著者が、

◆「自分嫌い」を決定づけた、幼い頃からのコンプレックスや苦い経験の数々
◆大人になって日々直面する“自己肯定感が低い人あるある”
◆自分を好きになりたくて、“自分磨き”で試行錯誤した日々
◆そして辿り着いた「これ以上、自分が傷つかないための方法」

を、面白おかしく、ときに切なさも交えて綴ります。

自分のことが好きになれなくても、人に優しくすることはできるし、幸せにもなれるはず。「なりたいものになれなかった」「誰にも選ばれなかった」そんな自分と、折り合いをつけられずにしんどさを抱える人たちの背中に、そっと手を添える一冊です。


写真・イラスト/Shutterstock
構成/山崎 恵
 

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