二言目には「うるせー」を口にする子どもとまともに話すには?

部屋のドアに「立入禁止」の張り紙。親を拒絶する反抗期の子どもには、どう接するのがベスト?_img0
 


【お悩み②】
Q:ごはんだよ「うるせー」。オフロに入って「うるせー」。明日お弁当あるの? 「うるせー」。もはや「うるせー」が挨拶の息子。せめてごはんくらい食べてよ!

 


A:とりあえずごはんは用意する。後は待つこと

相談者さんはお子さんに普通に挨拶してほしいのですね。でも残念ながら、反抗期真っ只中の子どもにまともな挨拶を求めても無理です。彼らはそんな気になれません。もし「挨拶くらいしなさい」と強要しているとしたら、それは親がケンカをふっかけているのと同じです。

ひとまずごはんは用意してあげて、後は待つことも大事です。子どもが食べたら「食べてくれて嬉しい」「食べてくれてありがとう」と伝えましょう。「何か食べたい物ある?」と聞くのもいいですね。

以下のように共感的で民主的な対話をすることも大切です。

例えば「9時までに夕食を食べてほしい」とき。まず話を共感的に聞くことで、食事が遅くなったり食べなかったりする理由も分かります。親として何か言いたいことがあっても、まずは共感的に聞くことに専念します。たっぷり聞いた後に「健康面の心配や片づけの都合もあるからやっぱり9時半までには食べてほしい」「いらない日はメールしてね」などとこちらの希望も伝えます。そして譲れるところは譲ります。

こうして親子で一緒に作った決まりごとは子どもにも守ってもらいやすくなります。子ども扱いは必要ありません。一人の人間、一人の大人としてリスペクトしながら接していきましょう。


次回は3月13日公開予定です。
 

著者プロフィール
親野 智可等(おやの ちから)さん

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。人気マンガ『ドラゴン桜』の指南役としても著名。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メールマガジンなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
ホームページ:https://www.oyaryoku.jp
Twitter:@oyanochikara
Instagram:@oyanochikara

 

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写真:Shutterstock
構成/さくま健太
 

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