—— どのようなことが「できる」ようになっていきましたか?

たとえば、娘は傘を開けたり閉じたりする動作ができませんでした。

幼い頃から長い棒が好きだったので、学校にある傘を見つけては喜び、3年生のころには、傘をステッキ代わりに持ち歩いていました。

学校には、企業から寄付していただいた手開き式の傘やジャンプ傘がたくさんあったのです。娘は、それらの傘をひとつひとつ広げ、校庭に並べていきます。

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学校にある傘を次々と広げていく娘。その様子を先生方は優しくにこやかに見守ってくださいました。

「まるで校庭に傘のお花が咲いたよう」

先生は、その光景を眺めながらにっこりしていらっしゃいました。そうしているうちに、娘は自然と傘を「閉じる」ことを覚えたのです。

16歳になって、一般的な傘の持ち方、つまり雨に濡れないように「傘をさす」ということもできるようになりました。ゆっくりではありますが、娘なりのペースで成長しています。

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はじめのうちは、傘を「閉じる」ことができませんでしたが、毎日のように多くの傘を開き続けているうちに、自然と「閉じる」ことを覚えたのです。

自転車のペダルを漕ぐこともできるようになりました。