恋人ではなく同性婚を選んでよかったこと
――同性婚を選んでよかったことはありますか?
フアン:恋人の時はすぐ先のプランだけを立てていましたが、結婚をすると、これからもずっと幸せに暮らしていくために“こんな家に住みたいね”という未来の話ができる。どんどん一緒にしたいことが膨らんでいきました。
西村:私は、どんなときも信頼できる家族ができたと実感しました。絆が深くなったと思えました。
――同性婚が認められているスペインではなく、まだ認められていない日本で暮らそうと思ったのはどうしてでしょうか。
西村:同性婚が認められているからといって簡単にビザを取って住むことができるわけではないようです。フアンが日本の労働ビザを取得できたことと私の仕事の拠点が日本であることから日本で暮らしています。日本では婚姻の平等がまだ認められていませんが、必ずしも悪いことばかりだけではない。世界60ヵ国以上の国では、同性愛者が有罪になってしまうこともある。私達が外で手を繋いで歩いていることで、罪になることがないのは安心できると感じています。
――フアンさんは、異国である日本で暮らし始めて、なにか困ったことはありましたか?
フアン:私は日本に来るまでは、日本と外国との歴史が外国人に対するイメージに影響を与えていることについてあまり知らなかったんです。
外国からの圧力を受けて、日本はさまざまな困難を経験しました。
そのような歴史的背景を学ぶことによって、外国人に対しての態度が少しよそよそしい日本人がいるのだなと理解できました。グローバル社会なのでいずれは変わってくると思うのですが、外国人に対する偏見が見直され、さまざまな垣根を超えて分かり合い、家族にもなれるのだということが伝わると嬉しいです。日本のように人が思いやりを持ち、物事を追求している国はなかなかないと思います。少しずつ異文化を理解することによって楽しく暮らしていきたいと思っています。
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