「イカゲーム」の大ヒットもあり、世界的に人気のジャンルとして確立されたデスゲームもの。4月7日(日)に第1話がオンエアされる連続ドラマ「ACMA:GAME アクマゲーム」(日本テレビ)は、主人公の織田照朝が、悪魔がゲームマスターとして執り行うデスゲーム“アクマゲーム”に挑みながら、“悪魔の鍵”の謎に迫ります。主人公を演じる俳優は、作品ごとにその体幹を強めている間宮祥太朗さん。間宮さんならきっと、ジャンルものの枠に収まらない芝居を見せてくれるはず。そう確信するインタビューになりました。
 

 


過去の作品では、脚本と違うセリフを言うこともありました


ーー俳優デビューから15年が経ち、「ACMA:GAME アクマゲーム」という大きな作品で、主演として真ん中に立つことになりました。やはり奮い立つものですか?

間宮祥太朗(以下、間宮):「奮い立つ」のは、メインではない時のほうが多いかもしれません。例えば映画『東京リベンジャーズ』(2021年/2023年)の稀咲鉄太(きさきてった)役などは、少ない出番で強烈な印象を残さなければいけないので“存在感の強さ”が必要になります。ポイントで出てくる役は主人公に影響を与える芝居が多いので、「奮い立つ」感覚になりますね。主演の方が受け身の芝居が多いので、全体的なセリフのやり取りや「もっとこう動いた方がいいんじゃないか」みたいなことを考えています。

ーー助演のときは存在感を示すために仕掛けていきつつ、作品の輪を乱してはいけないわけですよね。

間宮:でも、「水球ヤンキース」(2014年)という作品では輪を乱していたと思います(笑)。脚本と違うセリフを言うこともありました。

ーーそんなことがあるのですか……?

間宮:プロデューサーが僕と矢本悠馬に、「こいつらが出てきたら何か面白いことが起こると思わせるような、かき回すような役回りをしてほしい」とおっしゃったんです。中島裕翔や山﨑賢人といった主人公に近しいキャストがそれをどう受けるかということなので、想像通りじゃない方が面白いかなと思って自由に芝居していました。

ーー今回は主役としていろいろなキャラクターの芝居を受けるわけですが、間宮さんは真ん中に立ちたいと思っていましたか?

間宮:真ん中をやることが全てだとは思っていませんでしたが、かといってそこに立ちたくないとも思ってはいなくて。今までやってきたことが真ん中に立つためだったのかと言われるとそうではないですし。でも結果として、こういう大きなプロジェクトの作品で真ん中を任せてもらえることはありがたく、とても幸せなことだと思います。これまでやってきた“時間”と自分が今いる“場所”に対しての達成感みたいなものも感じます。

 

ーーでは、なんのために俳優を続けてきたのでしょうか?

間宮:それは今もそうですが、お芝居をしている最中が楽しいからです。それがなくなったらやっていけないと思うんですよね。もちろんお客さんに見てもらって反応をいただくこと、作品が当たることも大事ではあるけれど、それは自分にとってはわりと結果論になってしまいます。

ーー間宮さんのお芝居はどの作品でも工夫があって驚かされます。たとえば、映画『変な家』(2024年)で首を絞められたときの身体的反応や、呼吸を取り戻すときのリアルな芝居は初めて見るアプローチでした。

間宮:楽しむためには、毎回自分で工夫することが必要だと思います。作品が変わると脚本も役も環境も変わるので、ある程度は自ずと変わりはするものの、どうしても(過去の作品と)似た方法論で演じてしまうことがあります。だから意識的に演じ方を工夫するようにしています。

『変な家』と「ACMA:GAME アクマゲーム」に関しては、二次元的なフィクションということで、自分で完全に舵を切ってわかりやすいお芝居をすることは不正解ではないと思うし、作品の性質に合っていると思います。でもそこに持ち込める(リアルな)ものが自分の中にあるとしたら、それを考えて吟味することも、楽しむために必要だと思います。