日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、親子関係にまつわるモヤモヤエピソードです。

 


「お父さんは、毒親…」


エピソードをお寄せくださったのは、実家でご両親と暮らしているというアヤネさん(35歳・会社員)。
 


長年父との関係に悩んできて、最近は「どうにかして縁を切れないか」と思うに至りました。

私には2歳上の姉がいますが、引っ込み思案で不器用な私は、優秀で社交的な姉とずっと比較されながら育ちました。特に父にとって、姉は自慢の娘。「俺とよく似ている」と可愛がり、わがままも許してちやほやしていました。

姉は大学から東京に出てそのまま就職し、あっという間に結婚して家庭を持ちました。実家には年に一度帰るか帰らないか。父は「あの子は遊びに来ないのか」と気にして母から連絡させたり、高いお菓子やお肉なんかを送って気を引いたりしていますが素っ気ないものです。

私はといえば、地元の企業に就職してからも実家暮らし。「お前に一人暮らしは無理だ」と父に一喝されて、そのままズルズルと……。数年前に母が腰を悪くしてからは、いつのまにか家事の多くは私の担当に。父はとにかく暴言がひどくて、馬鹿だアホだは日常茶飯事。「掃除は雑だし気が利かないし、お前は絶対に結婚できないな」「お前もお母さんも陰気だし、こんな家に住まなきゃいけないと思うと情けなくなる」「お前の料理は本当にまずいが、我慢して食ってやってる」とひどいことばかり言います。

母は父との会話を放棄していて、習い事と言って出かけることが増えました。私はだんだん鬱っぽくなってきて、このままでは心が壊れてしまいそうです。姉に一度「お父さんと縁を切りたい。家を出たい」と言ったら猛反対されました。親を捨てるなんて、やっぱりいけないことでしょうか。気の弱い私には、現状を変える力はないみたいです。

 


「私が逃げても死なない」うちに逃げる

 

「実家にいろ」と言われ、家事の多くを担っているのに、酷い言葉で傷つけられているアヤネさん……。お話を読んで、胸が痛くなりました。これ以上傷つかないでほしい。身を守ってほしいと心から願います。

お父さんは、モラハラ気質がありそうですね。お姉さんが実家に寄り付かないのも、お母さんが会話を放棄しているのも、お父さんの性質に気づいているからなのではないでしょうか。他の家族が少しずつ逃げ出している中、アヤネさんが取り残されてしまうのではないかと危惧してしまいます。

「家族なのに、縁を切るなんて……」と悩む気持ちもよく分かります。これまで育ててもらい、一緒に暮らしてきた歴史もありますもんね。できれば、お父さん・お母さんとよくよく話し合ってほしいと思います。ただ、このままズルズルとしてしまうと、そのうち本当に逃げ出せなくなってしまうのではないかという恐れも。出て行くなら、お父さんがまだ経済力も体力もあり、「その気になれば自活できる」状態のうちに出て行かないと……。

 
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