「出し切った」というスッキリ感が得られるかどうか
若いころの膀胱がゴム風船なら加齢によって紙風船になってしまうといってもいいでしょう。伸縮性が落ちると膀胱の容量も減ってしまいます。つまり「快尿」の条件である「尿が膀胱に十分に溜まること」が失われ、しょっちゅうトイレに行きたくなるのです。
ここで問題となるのは、「トイレで一気に出し切った」というスッキリ感が得られるかどうかです。
残尿感がなくスッキリとしたおしっこなら、トイレに行く回数が人より少し多いように思えても、膀胱が老化しているとは見なさなくていいでしょう。
また、膀胱の筋肉が衰えると、排尿したいときに膀胱が十分に収縮しなくなります。
つまり尿を押し出す膀胱の力が弱くなるため、尿が出切るまでに「約21秒以上」かかったり、尿が出切らずに「いつも何となくトイレに行きたい感じ」になったりします。快尿の条件「尿が膀胱からスムーズに出切ること」が失われているわけです。
尿失禁は、お腹にちょっと力を入れただけで漏れてしまう、あるいは急に尿意をもよおしてトイレが間に合わないという現象です。出産後の若い女性に起こることもありますが、多く見られるのは、やはり中高年になってからです。
加齢とともに膀胱を支えている構造に緩みが出たり、膀胱が知覚過敏になったりすることで、尿が漏れやすくなるのです。
また、男性では、加齢による前立腺肥大が、頻尿や残尿感、尿失禁につながっているケースも非常に多く見られます。
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