資産運用で活用したいNISAとiDeCo


資産運用の方法には、株式投資、投資信託、不動産投資、債券投資などがありますが、一般的に、資産を増やすのであれば株式、守るのであれば債券、手間をかけたくないなら投資信託、などと言われています。いずれにしても、資産運用を考えているのであれば、押さえておきたいのが「NISAとiDeCoの活用」です。

NISAとiDeCoの詳細は後述しますが、どちらも資産形成のためのお得な非課税制度で、購入できる商品や目的などが少し異なります。

 


利益が出ても税金がかからないNISA


2024年から新しいNISAが始まります──。昨年から今年の頭にかけて、この文言を幾度となく見聞きしたのではないでしょうか。2014年にスタートしたNISAは、2024年に「新NISA」となり、お得度がアップしました。これを受けて利用者が急増。新NISA開始後の1ヵ月間で、主要証券会社19社のNISA口座数は4%増えました。口座の開設ペースは、直近3ヵ月間の平均の2倍にもなったのです。

NISAで購入できる商品は、株、投資信託、REITなど。通常、株などを購入して利益が出た場合、その利益に対して約20%の税金がかかりますが、NISA経由で購入すれば税金は一切かかりません。利益が10万円出た場合、通常手元に残るのは8万円弱ですが、NISA口座を使って投資をすれば利益は丸々自分のものになるのです。

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NISAは、長期的にコツコツ積み立てて利益を狙う「つみたて投資枠」、株の購入も可能な「成長投資枠」という2つの投資方法から選ぶ仕組みになっています(併用も可能)。成長投資枠の年間240万円までの非課税枠を、最大限活用するというのもおすすめです。

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つみたて投資枠では3~10%の平均利回りが期待できると言われていますが、試しに金融庁が公開している「資産運用シミュレーション」で試算してみましょう。月々5万円を想定利回り5%で15年間積み立てた場合、下の表のように「受け取る金額は1336.4万円」という運用成果が出ます。

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NISAを始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。今は手数料が安く投資信託の数も多いネット証券で口座を開くのが主流で、SBI証券と楽天証券が二大ネット証券と言われています。新NISAの開始に伴い、証券会社各社はキャンペーンを行っているので、始める際はチェックしてみてはいかがでしょうか。


節税につながるiDeCo


NISAと似たような制度に、節税しながら老後の資産作りができる国の制度「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があります。掛金は65歳まで積み立てることができますが、いつでも引き出せるNISAと違い、原則60歳になるまで引き出せません。

iDeCoの最大のメリットは、税制優遇制度の適用です。拠出した掛け金が全額所得控除できるので、所得税と住民税が軽減されます。

会社員は月に最大2万3000円まで積み立てられますが、例えば年収400万の会社員が30歳から積み立てを始めると、所得税5%、住民税10%が年収に応じた税率で軽減されます。

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iDeCoに加入した場合、どのくらい税負担が軽減されるかは、「かんたん税制優遇シミュレーション」ですぐに計算できます。そのお得度をぜひチェックしてみてください。