忘れたいけど…リベンジポルノが怖い
「彼とは毎日のように会っていましたが、いかんせん私が多忙で、休診日は平日だし、土日も遅くまで仕事をする日が多かったので……。私は関西のクリニックへの出張もよくあり、彼も商社マンという仕事柄よく出張をしていましたが、疑うわけもなく。
また彼のTwitterによると、デートの予定は1日2、3件入れ、最後に『抱ける女』のアポを入れておくと余裕という色気が出てモテる……とのことで、一応本命ではありつつ、私はその要員だったんだと思います。仕事終わりにクリニックに迎えに来てくれたりしていましたが、きっと他の女性とのデート帰りだったんでしょう」
恵那さんは自虐的に笑いますが、この酷い経験を他人に話せるようになるまで回復されていることにホッとします。
「辛いけど、もうあんな男のことは忘れて前を向こう。浮気云々の問題ではなく、彼は基本的に女性を馬鹿にしている。性の対象として女性を見下しているんです。Twitterでは同じような仲間を募り、実際に『お持ち帰りテクニック』を実践する食事会なども開催していたようで。『美女を抱きたいなら、まずは美女を抱いてる同性と仲良くなれ』なんて文句を謳ってフォロワーを増やしnoteを売っていました。
もう彼とは関わらずに記憶から削除するのが正解。そう思っていましたが、でも一つ怖いことがあり……。突然インスタグラムでDMをくれた女性と同じく、私も性行為中の動画を彼に撮られたことがあったんです」
恵那さんは事の顛末を知人の弁護士と相談のうえ、最後にタケルさんと直接会って話すことにしました。動画の削除、また婚約前提にプレゼントしたロレックス代も請求することにしたのです。
「彼の本性はどうしようもないクズで、会って話し合うメリットはないことは頭ではわかっていました。でも……。結婚間近だった彼への気持ちを急に100%捨てきることもできず、優しい彼が恋しくなり、ひどく会いたくなることもありました。
それがテクニックではあっても、私のことを1年間支えてくれ、心の拠り所だったことは事実だったから。LINEには相変わらず耳障りのいい言葉を並べたメッセージが定期的に届きました。私は謝るならせめて最後に誠意を見せてロレックス代の200万円を返して欲しいと言いましたが、彼は会ったら払うの一点張りでもあったので……」
迷った末、恵那さんはタケルさんとの直接対決を決めました。
彼は話し合いの場所に自分の家を指定しましたが、何か間違いが起きても困ると恵那さんは個室のあるお店を予約。
強い気持ちで挑んだものの、数週間ぶりに彼に会うと、恵那さんはやはり心を揺さぶられてしまったそう。実際に対面すれば、タケルさんはやはり「ビューネ君」(メナードのCMで話題になった幻の男性)そのものの優しい王子様キャラのオーラを醸し出していて、自分を騙していたとは信じ難い錯覚に陥ってしまいました。
ですが、いよいよ本題に入ると、さらなる彼の本性が明らかになります……。
来週公開の後編の記事では、Twitterナンパ師との直接対決の修羅場、彼の驚きの言い訳と、抱えていた闇の正体について伺っていきます。
写真/Shutterstock
取材・文・構成/山本理沙
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