10年在宅介護経験者が語る「介護のコレが大変!」その負担を軽減させる3つのポイント_img0
 

介護が大変だということは何となく分かっていても、経験したことがない方は「じゃあ何が一体大変なの?」と思われるかもしれません。前回の連載では、実際の介護経験談を交えながら、「介護における大変なこと」を紹介しました。今回は続編として、その大変さを少しでも和らげる方法を、10年以上在宅介護に携わった経験から紹介します。

前回記事
介護費用の平均は600万円?あらかじめ知っておけば心が楽になる介護のあれこれ>>

 


介護をラクにする3つの方法

前回、介護で大変なことランキングTOP10として、介護する相手とのコミュニケーションや介助における負担、精神的負担や時間の確保などが挙げられていると紹介しました。
10年在宅介護経験者が語る「介護のコレが大変!」その負担を軽減させる3つのポイント_img1
 

家族ができるだけ肉体的・精神的な負担を抱えないためには、介護をする家族が無理をしないことに尽きると思います。そこで、大変な介護を少しでも楽にするために、「①介護サービスを利用する」「②自分の時間を確保する」「③介護スキルを身につける」の3点をぜひ取り入れてみてください。


①介護サービスを利用して負担を軽減
 

介護が必要になったら、介護サービスの利用を検討してください。介護サービスを利用するには、介護認定を受ける必要があります。そこで、介護が必要になるかもしれないと思った時点で、すぐに自治体の窓口か地域包括支援センターに相談してみてください。現状の困りごとなどから、どのようなサービスが適切なのかをケアマネジャーと話し合い、家族の負担軽減を考えてくれます。

現在、国の介護保険サービスを利用している要介護(要支援)認定者は706.7万人で、65歳以上の5人に1人が認定を受けています(2024年1月末時点)。介護や支援が必要となった主な原因は認知症が約2割と最も多く、次いで脳血管疾患、高齢による衰弱、骨折・転倒、関節疾患となっています。

認知症は徐々に進行していくものですが、病気や怪我が原因で介護に至る場合は、入院生活を経て介護へと進みます。この時ポイントになるのが、要介護認定なんて……と躊躇せず、なるべく早い段階で関係窓口に相談するということ。要介護認定が下りるまでには最大30日かかるので、うかうかしていると介護体制が整っていない状態で退院の日を迎えてしまいます。ある程度の規模の病院には、患者がスムーズに退院できるようにサポートする地域連携室という相談窓口があるので、そちらに相談してみてください。

なお、介護度が重いほど、国から支給されるお金の上限(支給限度額)が高くなります。使えるサービスの範囲も広くなりますが、一般的に退院後より入院中の方が介護度が高く出る傾向があるので、そういった意味でも入院中に介護保険申請することをお勧めします。1ヵ月あたりの支給限度額に関しては、こちらをご覧ください。

 
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