最近、ネット上のサービスを中心に、疑問符が付くような事例が増えています。ネットを使う最大のメリットは、事業者も利用者も効率よくやり取りできるところですが、本末転倒になっているケースが少なくないようです。
ネット・サービスは、その仕組み上、申し込みや解約などの諸手続きに人を介在させる必要がありません。事業者側はわざわざ人を雇わなくても済みますし、利用者も外出せずに手続きを済ませられます。ところが近年、こうした動きと逆行する事業者が増えてきているようです。
例えば、あるサービスに加入しており、使わなくなったので解約したいという場合、通常はネット上で解約の手続きを行います。ところが、一部の事業者では、どこに解約ページがあるのかあえて分かりにくくして、利用者に解約させないようにする試みが行われているようです。
解約のページに行っても、そこからさらに煩雑な手続きを踏む必要があったり、最終的に電話をしないと解約できないといったものもあります。ひどい場合には、電話をかけさせられた挙句、コールセンターは繋がらず、いつまでたっても解約できないというパターンや、ネット・サービスであるにもかかわらず紙の書類の提供が求められ、書類に不備があるとして何度も突き返され、その間、利用料を支払い続けなければならないというパターンもあるようです。
なるべく解約してほしくないという気持ちは分かりますが、ここまで来ると、事業者による優越的地位の濫用となりかねません。加えて言うと、こうした試みは社会全体で見た場合、明らかに損失といえるでしょう。
事業者の立場だけで考えれば、解約が遅れればその分、事業者の利益が増えるかもしれませんが、経済圏全体で見た場合、そうではありません。本来、別の事業者に回っているはずのお金が滞っているわけですから、経済活動の足を引っ張っています。
個別の事例としては小さいものかもしれませんが、チリも積もればで、多くの事業者がこうした行為を繰り返せば、国全体の成長にも影響を与えかねません。自らの利益ばかりを考えていると、お金が世の中にうまく回らず、結局、自分も含めて皆が損することの典型例といえるでしょう。
最近、流行りのAI(人工知能)を使った処理の中にも首をかしげざるを得ないものがあります。
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