健康に気をつけるようになったのは70歳頃。
それからは散歩が日課になりました
身体は小さかったですけど、とにかく丈夫でね、健康でした。
12歳で奉公に出てから働き詰めでしたけど、仕事を長く休まなくてはならないような、大きな病気はしたことないです。風邪もあまり引かなかったかな。
寝込んだことは……出産のときぐらいですね。娘を妊娠したのは、夫と新宿にお店を開業して、お客さまが増えてきて軌道に乗りつつある頃で。とても忙しくて、妊娠6ヶ月まで病院にも行きませんでした。それで、息子のときは夫が気遣ってくれて早めに入院させてくれました。
毎日寝ていた記憶はそのときと、102歳で肋骨を折ったときしかありません。
そうそう。病気といえば、50代の頃に腎臓を悪くしたことがあります。それで顔がむくんで目が開かないような時期も少しありました。けれど、それほど重症にもならずにだんだん落ち着いてきましたね。それからは、塩分摂りすぎだけは気にしていました。この辺は塩分の摂取量が多いことで知られている地域なんです。ここ那珂川町は、あの頃、馬頭町という町名だったんですけど、「食塩摂取日本一」だったんですよ。あまり良くない日本一ですね(笑)。
それで高血圧の人が多いので、栄養士さんが来てくれて「減塩の食生活指導」なんていうのがあったりしたほどです。「谷川サロン」(※)で、「お茶請けに」って、みなさんが自慢の漬物を持ってきてくれるものですから、おいしくてよく食べていたんですよね。それが一因かもしれないと気づいて、それからは我慢して、控えるようにしていました。
※当時はお店の住所が「馬頭町谷川」だったので、お客さんからこの名で親しまれたそうです。
「そろそろ健康に気をつけたほうがいいのかな」と思うようになったのは、食事を意識し始めたのと同じく70歳を過ぎた頃です。それまで健康の心配がないまま年を重ねてこられたのは、本当にありがたいことですよね。どこそこが痛いとかもなくて……まあ、どこかに足をぶつけると痛いとか、そんなことは人並みにありますけどね。立ち仕事ですから、もしかしたら人よりは足腰は丈夫なのかもしれません。
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