趣味もプライベートも棚卸しすると強みになる


また、棚卸しは業務に関することだけでなくても◎。過去には、本業とはまったくの別フィールドで立て続けに採用された方もいるそう。

九州の2地域で採用された方の事例を見てみると、本業は教育系サービス業ですが、趣味のサウナを前面に打ち出して活躍されています。

「必ずしも、きれいな経歴が必要かというとそうではありません。趣味でも使えそうなものは書いてOK」(大林さん)とのこと。今までの仕事だけではなく、趣味や地域コミュニティーでの活動など、プライベートも棚卸しすることで、自分の強みが見えてきそうです。

ちなみに、最近はIターンやUターンのような将来移住してほしい自治体もあると思うのですが、移住の意思の有無は関係あるのでしょうか?

「それらのテーマを扱っているのって、移住・定住を促進する部署なんですよ。複業クラウドでは官民連携推進課や広報課、その人材がほしい部署が公募し、採用しているので、どちらかというと、移住・定住よりも自治体としての関係人口を増やしたい意向ですね」(大林さん)

 


心にゆとり、ありますか?


晴れて内定すると、いよいよ契約です。

面談にはすべて複業クラウドが同席しますが、ほとんどの場合、契約は行政と直接締結します。個人と行政の契約なので、契約延長などを直接行っても問題はありません。

業務はフルリモート案件がほとんどで、週1回1時間のオンラインミーティングがメインというのが多いようですが、契約書面は自治体によって異なるようです。

自治体とトラブルがあったらどうなるのでしょうか?

「その際は複業クラウドにご相談ください。自治体に伝えますし、自治体から何かあれば個人に伝えます。が、ケースとしてはあまり多くないですね。しっかり選考して、事前にすり合わせることで、皆さんマッチングがうまくいっています」(大林さん)

トラブルも少なく、リピーターも多い自治体複業。無償だとしてもそれほど満足度が高い理由は、複業する人の意識が大きいようです。

「自治体複業をされている方は、関わりたい、役に立ちたいという感情報酬や、新しいスキルを身につけたいというスキル報酬など、金銭報酬以外の部分に魅力を感じている人が多いんです。

それは、金銭的な余裕というよりも、心に余裕があるかどうか。

心に何かゆとりがある。自治体複業をしている人はみんなそんな感じですね」(大林さん)

おもしろそうだからやる、少し時間があるからやる。週1回1時間のオンラインミーティングがメインなので、ちょうどいい。始める理由は何でもOK。

「転職しよう、起業しよう、移住しようってなかなか難しいので、その間が複業だと思う」(大林さん)というように、無理せず、自分のやりたいこと、興味のあること、そしてほんの少しの社会貢献を自治体複業としてやってみると、新たなライフワークが見つかるかもしれません。


構成/佐野倫子
イラスト/Semo
 

自治体での複業するにはどうすればいい?プロが指南する採用のポイントとは【これも1つの複業のカタチ②】_img0
 

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