こんにちは、エディターの昼田です。
9月にNHKカルチャーセンター青山教室で行われた「クローゼットマネージメント術」の講座。「熱い!」「白熱教室」なんて言われるくらいなので、昼田さんは喋るのが得意なんですね、と思われた方もいるかもしれません。
ですが私、自分でも自覚していますがメンタルは超絶弱いのです。余裕そうに見えてノミの心臓の持ち主。極度のビビりで、落ち込みやすい。それも落ちると真っ逆さまにどん底まで落ちる。自分でも救えないほどにね。
前回の記事に書きましたが、娘が病気になった時だけでなく、メンタルの弱さが露呈される出来事は過去にも何度も起こっていました。
2017年、娘を産んだときに「産後うつ」になりました。
里帰り出産をして、はじめての育児。体力を消耗してるはずなのに、産後ハイで一睡もできない日が続きました。昼間は家族の存在感があるからまだいいけれど、夜になると娘と二人きりの世界。どうしようもない孤独感と逃げ出せない状況に切羽詰まり、死にたくなってしまう。
昼間から夫の携帯を鳴らし、「今すぐ仕事を辞めてこっちに(実家に)来てほしい。私では育てられない」と泣きついてみたり。
一番心配をかけたのは家族だったと思います。
ある日、母が電話口で「娘がおかしくなってしまって、ちょっと目を離すと何をしでかすか分からないのよ」と友人に話しているのを聞いてしまいました。
なんとかなるさ! が口グセの母も、このときばかりは「うちの娘がやばい」と本気で慌てたと思います。里帰りが終わる頃の母は疲れが滲み出ていて、人生で初めてなんの食事制限もせず、体重を数キロ落としていました。
当時近くに住んでいた姉も時間があると駆けつけ、義理の兄まで巻き込み「さっちゃん、大丈夫だから」と呪文のように唱え続けてくれた。
家族がかけてくれた言葉を大きな紙に書いて、部屋中に貼りまくりました。その光景は異様だったと思うけれど、ともすれば命を落としそうになる自分を制止するには、言葉の力を借りるしかなかった。
大丈夫。
子供は勝手に育つ。
どんどんラクになる。
なんとかなる。
いつでも目に入るようにして、何度も口にしながら。なんとかまともな精神状態に戻ってくるまでには3ヶ月くらいかかったように思います。
通りすぎれば笑い話。今となれば、ホルモンバランスの乱れと睡眠不足でまともな思考ができなくなっていたからだと思います。
いや、この件だけじゃない。30代前半、会社員時代にも鬱になりかけたことがありました。婦人科系の病気になり、上司からかけられた耳を疑うような言葉。がむしゃらに働いてきたのに、自分はただの労働力にすぎないのだと悟った瞬間でもありました。この先どうしたらいいのだろう。出社しようとすると、わけもなく涙が出た。
谷底まで落ちる自分のメンタルの弱さ。這い上がってきたけれど、毎度その落差に振り回され疲弊していました。いちいち反応してしまう自分のナイーブさ。もっと飄々と生きれたらいいのに。娘の病気をきっかけに、本気で変わりたいと思った。
こんな自分は、もういやだ。
外側の出来事に翻弄されない自分になりたい。
私が実践してきたのは、メンタルを強くしていく方法でもなく、起こった出来事を無理やりいい方向に捉えていくようなポジティブシンキングでもありません。
自分の内側を観察する。この苦しみを作り出しているのは何か、を観るのです。
そうやって一つひとつ紐解いていけば、「悪い出来事」に怖れる必要がなくなります。すべてが自分で解決していけるのです。落ち込む必要がない。そうなれば人生の、いや毎日の楽しみ方が変わりますよね! 次回から具体的にお話していきましょう。
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クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。
構成/出原杏子
前回記事「娘が正体不明の病気にかかってしまったおかげで、心の断捨離が始まった。「よくない出来事」は起こってもいい」>>
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