どれだけ文明の利器が発展しようと、実生活ではリアルな人との「会話」は避けて通れません。自分ばかりしゃべってしまう、会話が続かない、うまく情報を聞き出せない……など、その悩みも様々かもしれません。元109のカリスマ店員で現役記者の山田千穂さんは、「コミュニケーションはすべて“聞く”からはじまる」と言います。

現役記者も実践!「徹子の部屋」でわかる黒柳徹子さんの“聞く力”の凄さは、「褒めと質問」の合わせ技にあり_img0

そこで今回は、「聞く力」を鍛えるテクニックが詰まった山田さんの著書『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』から、“褒める”聞き方のコツとその効果をご紹介! そして記者歴10年の山田さんが感じた、黒柳徹子さんの「聞く力」の凄さとは……?

 

いつでもどこでも「全肯定! 全褒め!」


初対面の人はもちろん、面識がある人でも、会って3秒で素敵なところを見つけ即伝えると、相手の気分がぐっと上がって口が滑らかになります。

「3秒で伝えるなんてムリ」と思った人でも大丈夫。

相手の持ち物や身につけているものを素早くチェックしましょう。
「そのシャツ、素敵ですね!」
「キレイなネイルですね!」
「ぱっと目を引く時計ですね!」
というように、目に付いたものの魅力をひと言伝えるだけでいいのです。相手も、「ありがとう」と喜んでくれて、その持ち物から話が広がることもありますし、なにより会話がスムーズに進みます。

現役記者も実践!「徹子の部屋」でわかる黒柳徹子さんの“聞く力”の凄さは、「褒めと質問」の合わせ技にあり_img1
 

記者になりたての頃、男性誌のグラビアページの撮影に立ち会う機会があり、「胸がきれいな女性」として選ばれた「セクシー女優」の方が上半身に何もまとわずスタジオ入りしたことがありました。

その女優さんは最初、緊張気味で口数が少なかったのですが、撮影がはじまると、編集部の先輩スタッフやカメラマンが「綺麗!」「可愛い!」「そのポーズ最高!」「いいよ、その表情!」と褒めの言葉を次々とかけたのです。「もう少しこうしたほうがいいんじゃない?」のような否定の言葉を発する人は一人もいません。

すると、みるみるうちに彼女の表情がいきいきとして、一層美しく、笑顔が華やかになっていきました。

「綺麗」と言われ慣れている人でも、その場にいる人が全肯定、全褒めすると、別人のように表情が明るくなる。そんな姿を目の当たりにした瞬間でした。

撮影が終わると、そのモデルさんは撮影前とは打って変わって元気にスタッフに挨拶してくれて、いつまでも楽しげに話していました。このときの写真の仕上がりがすばらしく、読者からの反響も熱かったことは言うまでもありません。

「全肯定! 全褒め!」は、気分良く話してもらって仕事の出来もアップする特効薬なのです。