「本物感のある人」とはどんな人物か
ファーストクラスでサービスをしたりすると、本物感のある人がわかったと語っていました。ひどい態度を取る人がいる一方、社会的に高い地位にあるのに、ものすごくちゃんと接する人もいる。
御立さんは若いコンサルタントとタクシーに乗ったとき、運転手さんに偉そうな口を聞く人間には怒ると言われていました。普段は声を荒げることはないけれど、そういうときは真剣に怒るのだ、と。そんなことをしていたら、どこまで行っても半人前にしかなれないからです。
後に、日本航空の経営企画で中期計画を担当。メキシコ駐在から33歳でハーバード大学MBAを取得したことが人生の転機になります。その後、30代半ばで同世代の友人たちが何人か続けて亡くなり、やりたいことがあるなら、やるべきではないかと思うようになります。そして、ボストン コンサルティング グループ行きを選択するのです。
「希望するけれど予定しない」「偶然を否定しない」ことの大切さ
御立さんの人生訓は、希望するけれど予定しない、でした。こんなふうになったらいいなぁとぼんやり思っておくのはいいけれど、計画経済のように夢を描いて、毎日それを眺めて、こうやっていくんだ、と進めていく人生はどうかと思う、と。
実際には偶然も手伝って、思いも寄らないチャンスが与えられることは、世の中にたくさんある。御立さんはそう語っていました。そういう偶然を否定してしまう人生というのは寂しいと思う、とも。
御立さんも具体的にキャリアについて考えたことはなかったと語っていました。それよりも、自分に与えられているものを必死にやろうと思っていた。そうすると、違うものが開けるときが来るのだ、と。
でも、何が来るのかは読めない。ただ、読めないところに本当に面白いものや、自分がやらなければいけないものがあるのです。こうも言っていました。人のポテンシャルは、自分が思っているよりも大きいケースが多い。それを信じられるかどうかなのだ、と。
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