Bunkamuraオーチャードホールで、野村萬斎さんの「三番叟」を拝見してまいりました。

 

「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」の公式プログラムとして、現代美術作家の杉本博司さんが手がけた舞台で狂言師の野村萬斎さんが「三番叟」を。外国からのお客様が多く、タイトルも「Divine Dance 三番叟〜神秘域〜」とし、神様へ捧げる(時には神様が降りられる)厳かな芸能という意味合いを強調されたものになっていました。

 

舞台は杉本さんらしく、暗闇に本舞台だけが浮いて見えるようなごくシンプルな作りで、松羽目(鏡板の松)はなく、その代わりに雷を描いた幔幕が下ろされていました。萬斎さんの衣装も雷の柄で神々しさを表し、外国の方にもアイコンとして理解していただけるようにされていました。

とにかく日本の伝統文化・芸能は奥が深く、初見ではそうそう簡単に理解できないものです。「三番叟」は五穀豊穣を神に祈る儀式を芸能にしたもので、歴史が大変古く人気もあり、能狂言、歌舞伎、日本舞踊、文楽などで演目が上がっています。所作、面や鈴などの道具ひとつひとつに深い意味があります。少しでもそれを外国人のお客様に伝えることができたのかしら…と観終わった後に思いました。伝統文化の発信の難しいところですよね。

 

以前こちらで教えて頂いた、嵯峨御流のいけばなと龍村美術織物とのコラボの展示会にも伺いました。いけばなのデモンストレーションと、まるで美術品のような織物。目の保養になりました♡