こんにちは、編集・川端です。2016年のベストブックを今必死に考えているところなのですが、全力でオススメしたい本は、ほとんどミモレですでにご紹介しちゃってるな〜と。ここ2年くらいまで幅を広げてご紹介した方が、ノーマークな本との出合いがあるかしら……などと思案しています。

さて、読み終えたばかり、間違いなく今年のベストブックに選ぶでしょう1冊をご紹介します。(って結局ご紹介しちゃうんかーい!笑)

塩田武士さんの『罪の声』です。 モデルとなっているのは「グリコ・森永事件」。作者は小説執筆にあたり膨大な資料や取材を行ったようで、小説は「ギン萬事件」を追ったフィクションなのですが、ルポルタージュを読んでいるようです。

『罪の声』の主人公(つまりは罪の声の主)は京都でテーラーを営む曽根俊也。父の遺品から自分の声の入ったテープを見つけます。その声は「ギン萬事件」の恐喝に使われた録音テープと完全に一致! 自分の父親は未解決事件の犯人なのか?————ここまではスピーディーに描かれます。その後、もう一人の主人公、31年前のこの事件を掘り返すように命じられた若手の新聞記者にスポットライトが移り、物語は“事件を追う”側の行動に沿ってジワリジワリと展開していきます。

作者の塩田さんは1979年生まれで私と同い年。「グリコ・森永事件」は、子どもながらに「グリコ食べちゃダメなの?」くらいの微かな記憶はあるものの、親の世代ではないので鮮烈な記憶はありません。

でも読むと数十年でこんなに日本って変わってしまんだなと思うのは、「電話は基本固定電話」「身代金の受け渡しのため警察に地図を携帯するように指示を出す」「脅迫状のコピーはコピー屋さんでする」などなど、今ならスマホでピッ、グーグルやGPSでピッ。ってところがいちいちアナログで、なんだかほっこりとさえしてしまう。

各局のドラマが終わる年末のこの季節になると、「昭和の未解決事件」の特番なんかが必ずあって、私好きでついつい見てしまうのですが、今なら「未解決」にならなかっただろうなと思って。昭和だからありえた完全犯罪にどこかワクワクしちゃうんですね。

表参道のイルミネーション。見上げていたら道ゆく人がどんどんとぶつかって。「ゆーっくりと12月のあかりは点り始め、慌ただしく泳ぐ街を誰もが好きになる」と歌い出したくなったのですが、わかった人いたら嬉しいな(笑)

ではではまた〜。