ブータンの人々は日頃どんなものを食べているのでしょう。
唐辛子を多用する料理をよく食べる、という情報だけは事前に聞き知ってはいたものの、実際のところどんなお味なのか、調理法や見た目も知りたいですよね。そこで、どこにいっても出てくる定番メニューをまずはご紹介しましょう。

こちらがエマ・ダツィ。野菜のクリーム煮のようにも見えます。

エマ・ダツィは、唐辛子のチーズ煮とでも表現しましょうか、唐辛子がたっぷり入っているもののチーズと調理するのでまろやかになり、辛すぎる印象は受けません。むしろ香りを楽しむ感じ。
それにしてもチーズと唐辛子が一つの料理を作り出している事にちょっとした驚きを感じます。ピッツァに唐辛子オイルを垂らす、などの使い方は見たことがあるのですが、こちらはメインの食材が唐辛子ですから!目から鱗です。

八百屋さんの様子。店の真ん中に唐辛子が鎮座しています。
凍豆腐の様に見えますが、こちらは干したチーズ。

そうなんです、ブータンでは唐辛子は料理のアクセントではなく、野菜の位置にあると考えてもよいでしょう。

このエマ・ダツィの発展形の料理がさらに沢山ありまして、例えば、ジャガイモ、きのこ、何種類かの野菜をエマ・ダツィのベースに組み合わせたものもよく食べました。チーズの味のせいでしょう、アジアの料理というよりも、ヨーロッパの寒いエリアの料理のような印象を向けました。
レストランや食堂での料理が万人受けするように辛さを調整しているのかとも思ったのですが、家庭での料理もいただいたところ、こちらは益々「美味しい辛さ」が引き立つ印象でした。15センチ以上もある太い唐辛子がゴロゴロ入った料理の見た目はかなりの迫力なのですが、一本つまんでガブリと噛み締めてみても美味しいと感じられる、まろやかな辛さなのです。
唐辛子そのものの種類も豊富ですし、生のもの、乾燥させたものの使い分けもあります。ブータンの人は味のよい唐辛子を選ぶ目も確かです。家々の屋根に唐辛子を乾す光景をよく見ましたが、天日でしっかり乾燥させた、チリチリとシワの細かく入ったものが上等なんだよ、と教えてもらいました。

山合いの食堂のご飯と台所。薪をくべて調理します。こちらのお料理が最高のお味だったので、その秘密を聞いたところ、火が命と、このかまどキッチンを見せてくださいました。

 

\ブータンはこんなところ/

 

人口 71万人
首都 ティンプー(標高2334m)
面積 38400㎢
国教 仏教
言語 ゾンカ語 英語
通貨 ヌルタム(1ヌルタム=1インドルピー)


*外国人は基本的に滞在にあたり公定料金が定められている。季節により変動があり、一人旅の場合1日240から290US$

【日本からのアクセス】
タイのバンコク経由が一般的。インドの一部の都市からのフライトもあり。


在本さんのinstagramはコチラ>>>