千秋楽を待たずして、白鵬の優勝(5場所ぶり41度目の優勝 幕内1000勝も達成……すごい!)が決まった大相撲9月場所。

先日、人生で初めて大相撲の生観戦をしました。スポーツ観戦が好きなわりに、今まで大相撲とはまったく縁がなかったのですが……ラッキーなことに升席のチケットがまわってきました。知識があまりにもなさすぎるので(恐縮ながら、小学校の頃祖父と毎日夕方にテレビ観戦していた時がいちばん観ていたかも……くらいの。今はニュース番組でダイジェストを観るくらいの……知識です)、大相撲ファンにお声がけをし、いざ、両国国技館へ。

  • こちらは当日に配布されるパンフレットと星取り表です。取り組みの間中、知人に各力士の特徴についてや観戦時のマナー、楽しみ方を解説をしてもらいました。横綱、かろうじて大関の名前しか認識していない状態だったために大変有り難い!
  • 今回は“お茶屋”さんを通したチケットだったので、案内所から入り、指定のお茶屋さんにて受付。ここから席まで袴姿の出方さんに案内してもらいます。このシステム、噂には聞いていましたが実際に来てみるまで意味がわかっていなかったです(汗)。
  • 向正面に近く、花道の近くだったので、力士たちをまじまじで近くで見つめることができました。ちなみに升席はパイプで囲まれた1.3メートル四方の区分け(升)の中に座布団が4つ敷かれたボックス席のことをそう呼ぶのだそうです。


幕内力士の土俵入り前に会場入りしたわけですが、牧歌的な雰囲気が会場を満たしておりました。取り組みはなされているのに、会場は上野公園の花見会場のような雰囲気と言うのでしょうか? お酒を楽しみながらおしゃべりに興じ、取り組みの時だけ対戦を見入り、その結果に一喜一憂しては、またすぐにおしゃべりに戻る……といったような感じで。

お茶屋さんを通しているチケットだったので「何飲まれます?」と案内役の出方さんがお酒のオーダーをまめにとりにきてくれます(チケット業者から購入したチケットは升席の確保だけで、これらのサービスはついてこないのでその分チケット代は安くなります)。相撲観戦に非日常な体験を求めるような私のような方は、豪勢にお茶屋さんを通じて粋な相撲観戦と洒落こむのは一興だな、と思います。

  • まず、席につくと、大量のお弁当、お菓子、つまみなどが席に届けられます。ちなみに、焼き鳥は両国国技館の地下で作られているんだそう! この内容はお茶屋さんによって違うのだそうです。
  • この日は満員御礼で大入り袋も配られました。ハッピーのお裾分けをいただけたようで、嬉しいものですね!
  • アイスクリームもオーダーできるので、途中でいただきました。「あまりお酒をお飲みになられていないので、お土産にワインを入れておきますね」と言われ、「お土産?」とも思いましたが、この時は深く考えておりませんでした……!?

そうこうしているうちに、幕内力士の土俵入りが始まりました。いつのまにか会場は満員に。のんびりした雰囲気は一転、土俵に注目が集まり、熱気が高まっていきます。花見や花火大会に近い非日常感に浸っておりましたが、「そうだ、スポーツ観戦にきていたのだ!」と急に我に返りました。

  • 花道が近い! あまりの近さに大興奮。昔競馬にハマっていた時、パドック(競争前の馬を見るための場所)で競走馬の仕上がりを眺めていた日々を思い出しつつ、「筋肉を見れば仕上がりが分かる!」などと、その時と同じように(誠に不躾ながら)見入ってしまいました。やっぱり白鵬のカラダの美しさは一際素晴らしかったです。あと、釘付けになってしまったのは、栃ノ心のアスリートとしての見事な筋肉美です。
  • 土俵入りは、歌舞伎座や昔ながらの演芸場での落語の寄席と同じで、一気にお江戸にタイムスリップしたかのうような錯覚をおこさせてくれます。「国技」と呼ぶにふさわしい伝統と風格、そして絢爛さ。国境を超えたパリ巡業などが成立するのも納得! この独特の空気感はやはりテレビ観戦では感じたことがないほどの興奮を与えてくれました。
  • そして、横綱の土俵入り。花道近くだったので、入退場に横を通り過ぎる白鵬を見ることができたのですが、入場時と退場時の肌の色やハリが違うんです。カラダひとつひとつの細胞に喝を入れて、しっかり紅潮して、うっすら汗をかき湿気を帯びている。「四股を踏むだけで、どれほどまでに筋肉を使っているのか!」と、連れの大相撲ファンがそれを大興奮しながら解説してくれました。


幕内の取り組みを真剣に見させていただきましたが、力士によってわき起こる声援の違い。カラダとカラダがぶつかる時のバチッという生々しい音。塩をまく際や気合いの入れ方のパフォーマー(エンターテナー、サービス精神)としてキャラクターの違い、敗戦して花道を退場していく力士のため息、その力士に声をかけるファンの声……力士の表情や決まり手などをハッキリと確認することはテレビにはかないませんが、やはりテレビのフレームからはこぼれてしまう情報にはあまりあるものがあり、それを自分の感性のままにキャッチできるのはライブの醍醐味ですね。

とにもかくにも、時間が止まったような錯覚さえ覚える夕方の時間に、祖父の横でまったりボーッとテレビを見ていたのが私の相撲の原体験だったので……44歳にして、改めて「相撲ってスポーツだったんだ」と当たり前のことに気づく結果となりました。

横綱の取り組みが始まる前には、出方さんから、「横綱が負けると座布団が飛びますので、充分にお気をつけて」というアドバイスをいただきました。この日は、その波乱はおきませんでしたが、体験してみたかった気も!?


「やっぱりスポーツってライブ観戦しなくては分からないことがいっぱいあるんだよな〜」と、東レ パンパシフィックオープンテニスのテレビ中継を横目で観ながら、この原稿を書いています(笑)。

そして、これが前述したお土産(一人分)……帰る際に案内所のお茶屋さんで受け取ります。相撲観戦し帰宅する際に大量のお土産をもって帰るという風習が江戸時代にあったのでしょうか? 長屋の住民へのお土産とか? そんなことを考えつつ、ワインも追加されたために肩が抜けそうになりながら両国国技館を後にしました(笑)。

 

今日のお品書き
「無理せず、気持ちよく!」。いつもそんな私たちの気分にぴったりする美容アイテムやテクニックを紹介してくれる福本さん。この時期、急に気になる「冷え」対策。バスソルトやバスオイルだけでなく、私は野田琺瑯の洗面器が欲しくなっちゃいました!