私の住んでいるポルトガルも6月から段階的に自粛が解除されてきていますが、その後感染者が増加していることもあり、まだまだ緊張が続いています。
公共の場所でのマスク着用が義務付けられているため、私の家の近くの町でもほとんどの人がマスクをつけています。
レストランもショップもオープンしているお店はマスク着用はもちろん、入口で消毒剤を手につけてから入ります。入れる人数も限られていますし、間隔も守られています。
アムステルダムやパリから戻ってきた人は、ポルトガル人のこのきちんとした応対を称賛しているのです。

数ヶ月間にわたる在宅が続いた後では、外出したくなるのは当たり前です。
特に都会にいた人は田舎に行って、フレッシュな空気を満喫したくなるのか、私の家と同じ敷地内にある葡萄畑の中のホテル、ランド・ヴィンヤードには数日滞在するためにポルトガルの人がたくさん来ていて驚きます。

それでもまだ、8月分まで飛行機のキャンセルのお知らせが航空会社からメールで届きますし、EU内での移動もかなりできるようになったものの、私の家を訪れる友達や家族はいません。
そんな中3月から、この狭いコミュニティの中で知り合ったスウェーデン人の友達夫妻と4人だけで週1回、お互いの家で食事をともにしています。

最初はただの食事だったのが、どこにも行けなくなったので、気分を変えるためにスカンディナヴィア料理からインド料理に。
メニューはもちろんテーブルセッティング、飲み物もその食事に合ったものとなり、メキシコ料理あたりから、さらにコスチュームが加わりました。

この二人はスウェーデンでは有名なメディアで仕事をしていて、とくに奥さまはストックホルム国際映画祭を主宰しています。普段であれば毎月のように世界中の映画祭に行っているご夫婦です。そんな彼らがこんな田舎に閉じ込められているのです。
そこでカンヌ国際映画祭の期間にカンヌにいなかったことのない二人のために、私は冗談で“カンヌフィルムフェスティバル”を開きました。

ガーデンカクテルに始まって、フォーマルなディナーでカンヌ国際映画祭中の一大パーティ・ヴァニティフェア誌が主催するディナーパーティを真似たのです。

カンヌのレッドカーペット気取りで
 
 
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