今まで似合っていたはずの服が似合わない。何を着たらいいか分からず、自分に自信が持てなくなってきた……。40歳前後で訪れる体型や環境の変化によって、ファッションに惑う時期のことをミモレは「おしゃれ更年期」と呼んでいます。
悩み多きこの時期を、おしゃれによってどう前向きに乗り越えていくのか？ 自身も「おしゃれ更年期」に悩んだという大草直子コンセプトディレクターが、その実体験をもとに「おしゃれがラクになる」処方箋を指南します。今回のテーマは「黒」。何かと頼れる万能カラーが似合わなくってしまったとき、どうしたらいいのでしょうか？
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似合わないなら無理に着ない。今の年齢だから似合う色を着る
「あるとき、突然大好きだった黒のタートルニットが似合わなくなりました。その理由は、今になって思い返してみれば、年齢を経て髪や肌のツヤが失われ、顔の輪郭に変化が出てきていたことが原因。シャープな黒の存在に自分が負けてしまっている気がしたんです。当時はそれに気づかず、黒のタートルニットどころか黒をほとんど着ないようになりました。
おしゃれ更年期を抜け、黒とも"復縁"した今、私と同じように黒が似合わないと悩む方できるアドバイスはふたつあります。ひとつは無理して黒にしがみつくのではなく、今の年齢になったからこそ似合う色を着ること。そしてもうひとつは、黒を着るときの素材選びとコーディネートのひと手間です。確かに年齢を重ねると似合わなくなるものはあります。でも、それと同じくらい年齢を重ねたから似合うようになるものがあるのも事実。無理せず、心地よく、でもときにシビアに自分を見極め、今の自分に合ったスタイルを見つけてください」
年齢を重ねたからこそ似合うのは、グレーをたっぷり含んだスモーキーな色
黒が似合ってないと感じたなら、他の似合う色を着ればいいんです。たとえばグレーをたっぷりと含んだスモーキーな色。曖昧でニュアンスのある色は、若いお嬢さんよりも年齢を重ねたご婦人にこそ似合う色です。そしてグレイッシュな色は大人の肌によくなじんでくれて、他の色とも合わせやすい。今回のコーディネートのようにグレイッシュな色同士を重ねるのもおすすめです。
黒を着るならツヤのある素材で。“白”と一緒に取り入れるのがおすすめ
「おしゃれ更年期」だから黒を着てはいけないということではありません。年齢とともに髪や肌のツヤやハリが失われてくるので、目の詰まったウールのようなマットな黒は避けたほうがいいということ。黒を着るなら、レザーやサテンのようなツヤのある黒、薄手のシャツやニットのシアーな黒を選べば大丈夫。加えて、清潔感のある白と一緒に取り入れることで、失われた髪や肌のツヤやハリを補うことができるんです。
次回は、最も多くの人が悩むパンツ選びについて。「おしゃれ更年期」におすすめのパンツ、そして自分に合ったパンツのチェック方法も教えてもらいます！
大草ディレクター提案の「おしゃれ更年期」の処方箋コーデ
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スタイリング／大草直子
モデル／前田ゆか
取材・文／幸山梨奈
構成／朏亜希子（編集部）
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