二次元、三次元に関わらず、“推し”がいるオタクな人にとって推しの存在とは、生きる意味といっても過言ではありません。推しがいるからこそ、日常で辛いことがあっても頑張れる、というものです。でも一方で、オタクゆえに周囲に理解されないこともあるのではないでしょうか。そのため、“推し”とリアル彼氏の両立というのはなかなか難しいところがあるかもしれません。現在、マンガアプリpalcyで連載中の『オタ友が彼氏になったら、最高、かもしれない』は、まさにそんなテーマをがっつり描いていて、“推し”のいる人たちの共感が集まっている作品です。


彼の持ってるトートバッグが推しの限定グッズで


とあるカフェで働く立花あかりは隠れオタク。“推し”は実力派若手俳優の藤くんで、「推しが生きてるから 私も生きていられる」と、藤くんが生きる糧になっています。今の職場を選んだのも、カフェの店名が、藤くんが出演していた舞台に出ていたお店と同じ名前だったから。でも、この店で働きはじめることが、奇跡的な出会いにつながるのでした。

 

カフェの出勤初日のこと、あかりが店にいるとスタッフの恩田が出勤してきました。見た目も目つきも悪そうな男性だったのですが、彼が持っていたトートバッグが、推しが出ていた舞台の限定グッズだったことから、オタ仲間であることが判明します。

 

恩田はアイドルユニットに所属している佐藤貴和くんを推していて、貴和くんの映像を見ている時はまさに乙女状態。はじめはそのギャップに驚いたあかりでしたが、一緒に推し活を始めるようになったのです。

 

とあるきっかけから貴和くんにハマった恩田ですが、やはり男性一人で男性アイドルを応援するのは難しい様子。恩田一人では行きづらい握手会や、貴和くんのコラボカフェにだって、あかりが一緒に来てくれることで行きやすくなり、恩田の推し活が充実したものになっていきました。あかりは貴和くん担ではありませんが、かっこいい貴和くんを見られるのはハッピーだし、恩田とは同じオタク同士として気兼ねなく話せて素の自分でいられるので、あかり自身も居心地の良さを感じていました。

 


リスク覚悟の行動に……“推せる!”


ところがそんなある日、突然、恩田から告白されてしまいます。恩田を恋愛相手として見ていなかったあかりにとって青天の霹靂! 混乱しすぎてその場で何も言えず、バイト先のカフェでも気まずい雰囲気が漂うようになってしまいました。

 

せっかくできた推し活仲間なのに、恋愛相手として気持ちを切り替えられるものなのか? もし断ってしまったらいままで通りというわけにはいかなくなるのでは? などと悩むあかり。でも、よくよく考えたら、それは恩田にとっても同じことが言えるわけで、むしろ貴重な推し活仲間を失うリスクを承知の上で告白してくれた恩田の心意気に気づき、あかりは思わず“推せる!”と思ってしまったのでした(さすが、思考回路がオタク的)。

推しへの思いや萌えは、リアルな恋愛になりうるのか? というわけで、二人は「試し」に付き合ってみることになるのです。

以前に比べて推しがいることや、オタク気質が一般的になってきたとはいえ、時には肩身の狭い思いをすることもあるようですし、理解されづらいところがゼロになったわけではありません。そんな中、よき理解者がいて、それが彼氏って、作品のタイトル通り最高では!? 今後、推しのイベントと彼の誕生日が重なったらどうする? とか、地方遠征に一緒に行くことになったけど、それってお泊まり旅行ってこと!? など、さまざまな試練(?)が待ち構えています。でも、それを二人が乗り越える過程や、二人の距離が少しずつ近くなる様子を見ていると、読んでいる側が二人を“推せる!”という気持ちになるはず。

2月20日に2巻(電子のみ)が出たばかり。オタクの気持ちを丁寧に代弁してくれていて、オタク×オタクの初々しいカップルの尊さに、幸せな気持ちに浸れること間違いなしの作品です。

 

『オタ友が彼氏になったら、最高、かもしれない』第1話をぜひチェック!
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『オタ友が彼氏になったら、最高、かもしれない』
青井みと 講談社

2.5次元アイドル好きの隠れオタク・あかりの楽しみは、一見コワモテ、その心には2.5次元アイドルをこよなく愛するオタク乙女を飼っているオタク男子・恩田とのオタク活動。鑑賞会に握手会、コラボカフェにトレーディングのグッズ集めと、一緒にオタク活動をする仲の良い男友達だったはずが、なんと、恩田に告白されて……!?