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今や65歳以上の5人に1人が認知症になる時代。85歳以上の高齢者の約4割が、認知症を発症しているとも言われています。桐島かれん・ノエル・ローランド兄妹の母で、未婚のシングルマザーとして新しい女性の生き方を発信し続けてきた作家の桐島洋子さんも、アルツハイマー型認知症を患っていることが公表されました。今回の相談者・千紘さんは、母親が認知症になったことで、将来自分たちも同じようになってしまったら……と姉妹で心配しています。話を聞いてみましょう。

 


もの忘れのひどさに認知症を恐れる日々


82歳になる母は、2年ほど前にアルツハイマー型認知症と診断されました。最初のうちは私と妹が週末の度に実家に行くことで何とか生活を維持してこれましたが、ここ数ヶ月の間に家族で面倒を見るのが難しくなり、今は老人ホームにお世話になっている状態です。

介護自体は施設で対応してもらっているので安心ですが、母親が認知症になったことで、将来自分たちも同じようになってしまったら……と遺伝を心配するようになりました。実は最近、私も妹もちょっとしたもの忘れが増えてきて、不安でたまりません。

「昔に比べて人の名前や顔が覚えられない」
「忙しすぎると朝の食事メニューも忘れてしまう」
「仕事の段取りが悪くなってきたかもしれない」

これらはもの忘れに関して自覚している一部です。母を見ていて認知症の苦しみや状況がわかっているからこそ、自分がなってしまったら家族に迷惑をかけてしまうのでは……と感じています。

同じように認知症の親を持つ友人に話したところ、「脳の老化は40代後半から始まるみたい」と言われて余計に怖くなりました。

 
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