女性は、閉経を境に骨が急激に脆くなっていく。この事実を知っていますか?

というのも、女性の骨密度を保つのに重要な働きをしているのが女性ホルモンのエストロゲン。閉経によって女性ホルモンが一気に減少すると、骨はどんどん脆くなっていってしまうのです。

人生100年時代である今、「骨を制する者は人生を制する」ともいうほど骨の強度は重要。骨が弱ると、骨折→フレイル→寝たきりと、負の連鎖に一直線となってしまうからです。つまり、骨の健康維持は健康寿命に直結するということ。

産婦人科医の吉形玲美先生は、40代から積極的に「閉経マネジメント」を行うことを推奨しています。「閉経マネジメント」は吉形先生がつくった造語で、「閉経による女性ホルモンの急減によって、女性の心身に起こる変化について知識を持ち、前もって備えられることは備え、主体的に自分の健康をマネジメントすること」を指します。そして、その大きな柱となるのが「骨強度マネジメント」です。

今すぐにでも始めるべき「骨強度マネジメント」について、詳しく伺いました。

 

閉経後、骨は急激に脆くなる。けれど、対策できている女性は少ない


女性ホルモン「エストロゲン」の大きな働きは健やかな骨を保つこと。

エストロゲンは、骨を作る「骨芽細胞」の働きを促し、骨を壊す「破骨細胞」の働きを抑制しています。つまり閉経によりエストロゲンが欠乏すると、骨を作るのは遅くなり、骨を破壊する作用のストッパーが効かなくなり、常に骨を壊す方へ比重が傾いてしまうのです。

閉経後の女性に多いのが、骨粗しょう症が原因で背骨が押しつぶされ変形する脊椎圧迫骨折。自分で気づかないことも多いため「いつのまにか骨折」とも呼ばれています。そのほかにも、ふと手をついたときやくしゃみなどで骨折してしまう人も……!

なんだか背筋がゾッとしてきましたね。そのようにならないために、まずは骨の強さについて少しおさらいしてきましょう。

骨量とは骨の中にあるカルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル成分の量のこと。骨密度は単位面積当たりの骨量を指します。つまり、骨量が多ければ骨密度も高く骨が丈夫で、逆に骨量が少なければ骨密度が低く骨がもろい状態。低いのに何も手を打たなければ骨粗しょう症にまで進行してしまうのです。

出典/40代から始めよう!閉経マネジメント

「閉経する時期によって、骨が衰えていくスピードには個人差がありますが、女性ホルモンの低下によって骨が弱くなっていくのは、すべての女性に訪れる宿命です。だからこそ、40代から意識して骨密度を上げていきましょう。

不可抗力で起きてしまう病気と違って、骨は事前に鍛えておけば骨粗しょう症を予防できます。閉経前なら骨量は増やせますし、閉経後であっても低下を遅らせるために、できることはたくさんあります。それなのに対策できている女性は少ない。骨強度マネジメントは、やった分だけ自分に返ってくるもの。やらないのは損です!