花粉症の症状に効く、と評判があった健康茶に、医薬品成分のステロイドが含まれていたというニュースが話題となりました。そのお茶を飲んでいた方の血液検査の副腎皮質ホルモン等の数値が低下し、飲用を止めてもらったところ数値が回復したため、診察した医師の報告により健康茶との関連が発覚したそうです。そもそも、ステロイドにはどのような効果、副作用があるのでしょうか? 山田悠史医師に聞きました。

 

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402

山田:まずは、血液検査で副腎機能の異常に気がつき、原因がこの健康茶にある、と導いた医師の優れた診断に言及したいと思います。

編集:「本来は医薬品成分であるはずのステロイドがお茶に混入され、それを飲み続けたことによって副腎機能に異常をきたした」ということは理解できるのですが、なぜこのような症状が起こるのですか?

山田:ステロイドは身近な薬ですが、効果や副作用について、正しく理解されている方は多くはないかもしれませんね。ステロイドに、どんなイメージをお持ちですか?

編集:ステロイドといえば、アトピーに使われる薬……という、漠然としたイメージを持っていました。