日本人のセックスレスは年々増加しているといわれています。

コンドームメーカー「ジェクス」が2020年に発表した、20〜60代の男女5000人を超える“性”の大規模実態調査では、婚姻関係に関係なく「回答者が1年以内にしたセックス回数」を聞いています。その結果、1年以上セックスをしていないのは男性41.1%、女性49.5%にのぼりました。

特に50、60代の女性でまったくセックスがないのは7割近くに達しており、閉経後の女性はセックスから遠ざかっているということがわかります。

更年期以降の女性患者を3万人以上診察し、特に排尿とセックスのトラブルでは日本では第一人者の女性泌尿器科の関口由紀先生は、「中高年カップルのセックスは嗜好品と同じ」と言います。

「なんとしても子どもを持ちたいと願うカップルの性生活とは異なり、生殖年齢を終えた中高年のカップルにおいてのセックスはコーヒーやお酒と同じ嗜好品のようなものだと考えています。

 

する/しないはあくまでも個人の自由で正解はありません。ただ、セックスには相手がいることなので、ここがとても難しいところです。

①お互いに「したい」または「したくない」→何の問題もありません。
②ふたりともしたいけどできない → 痛い、濡れないなどの身体的トラブルを解決。
③片方は「したい」もう片方は「したくない」→ 問題発生! さぁどうする?

私の本来の専門は②のカップルに対して診察して治療を行うことですが、最近は③に該当する方からの相談も寄せられます」

今回は、実際に関口先生の外来で中高年の患者さんから寄せられたセックスにまつわる様々なお悩みや疑問についてご紹介します。