石の上が「ヤバイ」なら3年といわずすぐ逃げろ


「石の上にも三年」なんてことわざがあります。苦しい環境でも、まず3年は踏ん張ってみるのが重要! とよく言われると思います。

でも、こういった考えをだんだん疑うようになってきました。社会人になって、頑張りすぎて心を壊してしまう人をよく見るようになったのです。3年踏ん張って環境が良くなるのならいいのですが、そもそも耐えられない環境って存在します。

筆者が最初に入った会社は日常的に上司が怒鳴る会社で、ハラスメントも横行していました。そんな環境でも、「耐えなければ」と思い出勤し続けていましたが、ある時涙が止まらず、身体が全く動かなくなってしまいました。そこに至るまでには相当色んな過程があるのですが、とにかく理不尽に怒鳴られ続け、心がどんどん蝕まれていったのです。

 

身体が動かなくなった時「これはヤバイ」と思い退職しました。しかし就活市場では、どうしたって短期離職した人は不利になってしまいます。実際、転職活動で本当に口から血を吐くんじゃないかというくらい苦労しました。大した職歴がないのに転職活動をするなんて、戦う武器もないのに戦場に来たようなもの。ただただボロボロになりました。

 

「逃げる」のコマンドは立派な戦略


そのせいもあって、短期離職した自分を責め続けていました。なんで自分は、みんなと同じように働き続けられなかったんだろう。パワハラに耐えて頑張ってる人もいるのに。自分は忍耐力がないんじゃないか。

でも、最近考えが変わりました。「ヤバイ環境に早く見切りを付けて、“逃げる”という選択ができたことはいいことなんじゃないか」と思うようになったのです。

振り返ってみると、無理だ! と思って逃げたことは過去にもありました。中学生の時、いじめが原因で不登校になりました。しかも1年生の1学期に。その時も自分を責め続けました。なんで我慢できないんだろう、なんで普通に学校にいけないんだろう、と。

もちろん不登校になって失ったものはあまりに多かったですが、毎朝お腹が痛くなり、月曜日が来るのが恐ろしくて仕方ない、あんな状況で我慢し続けたら、もっと大変な状態になっていたと思います。一度壊れた心は簡単には治りません。我慢し続けた期間が長ければ長いほど、回復にも時間がかかってしまいます。