小学生の時からモデル、女優として芸能の仕事を続けながらベビーシッターの仕事をしてきた伊藤梨沙子さんは、今年4月に、子ども・子育て支援×エンターテインメントを掲げる株式会社Fluffy Ket(フラッフィーケット)を立ち上げ、通常の保育に加え、エンターテインメントのスキルを持ったシッターが、歌やダンス、演劇などで子どもたちを楽しませるサービスを始めました。もっと気軽にベビーシッターを利用してほしいーー。そう話す伊藤さんが起業した背景には、社会の子育てを取り巻く環境への問題意識がありました。(聞き手:ヒオカ)

インタビュー前編
前日にオーディションが決まることも 芸能人の働き方問題を解決するベビーシッター事業立ち上げの背景とは>>

 

伊藤梨沙子
1996年生まれ。小学4年生からから芸能活動を始め、08年からは松岡茉優らと共にテレビ東京系「おはスタ」のおはガール、『ピチレモン』専属モデルなどを務める。映画『禅と骨』、NHK Eテレ『さんすう犬ワン』、TBS系ドラマ『アトムの童』などにも出演。ベビーシッターとしてはJADP認定ベビーシッター・ACSAベビーシッター養成+現任研修修了・救命技能認定証取得済み。

 

深夜まで撮影、過酷な環境で働く人を見て感じたこと


──ベビーシッターの会社を創ったきっかけに、社会の子育てを取り巻く環境への問題意識があったと伺いましたが、どのようなものだったのでしょうか。

伊藤梨沙子さん(以下:伊藤):芸能活動していると、深夜、早朝までの撮影のときもあるし、やっぱりこの業界って結構働く時間も毎回バラバラなんです。仕事が急に決まったりもして、それは私達出演者側だけじゃなくてスタッフさんなど携わる全ての役職の人がみんなそういうスケジュールで動かざるをえないんです。その中には子どもがいたり、妊娠している方もいたりしましたが、みんな現場で本当に疲れ果てていたんです。悩んでいるのはお母さんだけじゃなくて、現場にいるお父さんも子どもと会えないという話をよくしていました。私がベビーシッタをーやってますと現場で話した時、「子どもたちに寂しい思いをさせてるかもしれないから、シッターさんが来てくれて、僕の代わりに楽しく遊ばせてくれるんだったらいいかもね」って言ってくれたことがありました。芸能の仕事に携わる身近な人たちの、子どもと会う時間が少ない、なかなか育児と両立が難しいっていう話を聞く機会が多くて、ベビーシッターという仕事で少しでもお手伝い出来たらいいなと思うようになりました。