仏花をお供えする際に気をつけたいこと


仏花とは、仏壇や墓参りのときに供える花のこと。仏教では、美しい花を供えることで仏様に喜んでいただく、仏になるための修行の誓いの意味があるとされています。厳しい状況でも生き抜く花をお手本にするというもので、仏壇は「仏花」、お墓は「墓花(はかばな)」と区別することもありますが、どちらも仏花と言うこともあります。

仏花をお供えする際に気をつけることは、主に以下の2つです。

①左右対称(一対)に
仏教では、左右対称のものを円の代わりとし、輪廻を表します。

②花の数は奇数に
お供えする花の本数は、3、5、7本の奇数にしましょう。左右に供える場合は、両方とも同じ本数にしてください。割ることのできない奇数が縁起も良く、力が宿ると言われています。

 


仏花にふさわしくない花って?


仏花にふさわしい花は、花持ちが良く傷みにくい花です。逆に花粉などが舞いやすいものは、墓や仏壇を汚すので気を付けてください。仏花でよく使用されるのは、菊(大菊、小菊)やカーネーション、なでしこ、金魚草、リンドウ、アイリスなどです。3本の場合は白、黄、紫、5本の場合は白、赤、黄、紫、ピンクで揃えると明るく引き立ちます。

花屋では、あらかじめ仏花として販売されているので気楽に購入できます。ですが高価な傾向もあるので、これらの色目を参考に、自宅の庭の花や個別に購入してみてはいかがでしょうか。

ふさわしくないのは、日持ちしない花、傷みやすい花、散りやすい花、トゲのある花、香りの強い花、毒性のある花などです。

 

造花はOK?


仏教には「諸行無常」という考え方があり、変わらないものはないと言う意味です。生花はいずれは枯れるため、毎日が永遠ではないことを再確認ができると言います。ご先祖様は食べ物の代わりに花を楽しむということからも、生花の方がふさわしいと言われています。

地域や宗派によっては、この生花に対する意味合いを大切にしているところもあります。しかし一般論として、造花がNGという決まりはありません。むしろ最近は、プリザーブドフラワーで作られた仏花が人気です。

普段は造花やプリザーブドフラワーにして、お盆やお彼岸、法要などの亡くなった方をお迎えするような場合には、生花を選べば問題ないのではないでしょうか。


構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
イラスト/Sumi
編集/佐野倫子

 

 

 

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