お金より大事なもの


河井:もちろん今もお金を稼ぐことは大事なことだなとは思いますけど、この年になって冷静に自分のことを見たときに、お金に頓着しない人間なんだなって気づきました。昔からそうですけど、貧乏なのに自分の財布にいくら入ってるとか、把握していたことがないんです。後輩と飲みに行って、偉そうに「いいよ誰でも誘って」とか言って、最後お会計でレジに行った時に、お財布に全然入ってないやんっていうことがよくあったんです。だから、別にお金が好きな人間じゃないんだと思います。

 

──稼いでやるぜ! みたいには今は思わないんでしょうか?

河井:もちろんゼロではないんですけど、モチベーションの一番はお金ではないと思いますね。やりがいを感じられて、好きな人と仕事ができることが大事なんです。やっぱり、仮に何百億円、何千億円持っていても、死んだら向こうの世界には1円も持っていけないじゃないですか。仲間や仕事に恵まれて、その延長でお金があって、死んでいくのがいいなと僕は思うんです。お金があるから続いている人間関係で満足するならそれでいいと思うんですけど、僕はそうじゃないんです。例えば、お金が急になくなったりしたときに、一緒に人もいなくなるような年の取り方はしたくないと思います。

 

──児童養護施設に毎年ご寄付をされていらっしゃるとお聞きしました。何年前くらいからしているんですか。

河井:2018年からです。自分ひとりでトークライブをやったんですけど、そのときサイン色紙とポスターを販売して、その売り上げの全額を寄付させていただきました。コロナで2020年はライブができなかったのですが、2021年からまた再開しています。