オバタリアンになって手に入れた、「曖昧なままでいられる図太さ」


本作の中に、こんな一文があります。母と向き合うことを決めたものの、考えても考えても書けず、いまだにどう受け止めればいいかわからないという心境を率直に綴っています。

何に対しても理由が必要で繊細な女の子だったあの頃を経て、おばさんになってからは、答えが出ないこともあるよね、と発想の転換がうまくなり、オバタリアンになり始めているであろう今は、そんなのどっちでもよくない? 考えてもわからないんだから、そんなことに時間を費やすのは無駄無駄! そのうちふとわかるときが来るかもしれないし、来ないかもしれない。だけどそれは大した問題ではない。と、曖昧なままでいられる図太さを手に入れたのだ。

年齢を重ねたからこそ、獲得できた「曖昧なままでいられる図太さ」。そう考えると、年を取ることもそう悪くはないように思えてきます。

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「20代の頃の、外見的なぷるんぷるんの感じの写真を見ると、その時も良かったなと思ったりしますけど、そんなことよりも、私は今の方が全然楽しい! いつも『今が一番楽しい』って思いながら、それを更新して生きているし、今の自分を肯定して、あっけらかんと生きています」

 

そうは言うものの、時には自分に自信が持てない時もあるという吉川さん。

「もともと自信なんてないけど、自信を失うのは、誰かと比べてしまったり、本当はこうなるはずだったのに、と無駄なことを考えてしまったりするところから来ているのかなと思います。一方で、自信がある時もあって、そういう日は本当に大好き! だから、この時の自分を続けるにはどうやったらいいか、ということを考えます。誰とも比べない自分を認めて、自分に優しくしたいですよね」