等身大の素直な心で影響を受けながらブレずにやりたい


それぞれ大野さんは城田さんと、そして真彩さんとsaraさんもWキャストに。どんなシャンドン伯爵像、クリスティーヌ像を作っていきたいのかを伺いました。

大野:向かっている方向は優くんと同じだと思いますが、彼がどんなシャンドン伯爵を作り上げてくるのか……。でもやはり最終的には自然と、それぞれ異なるシャンドン伯爵になると思っています。ストーリーの中でクリスティーヌはシャンドン伯爵を選びますが、彼を選んだ理由がファントムの醜さのせいに見えてしまったらダメだと思うんです。

 

ファントムは音楽的な才能や魅力の詰まったキャラクターです。シャンドン伯爵はそれを凌駕する、もっと輝く、もっと魅力の詰まった存在でないと説得力がないんですよね。『ファントム』という、この物語のドラマティックな部分をアシストするのがシャンドン伯爵の役割だと思うので、なるべく光り輝けるように、魅力的に作っていきたいと思います。

 

クリスティーヌ役を演じるお二人はどうでしょうか。

真彩:稽古をどんなに重ねても、むしろ初日に出来上がるんじゃないかというくらい、普段から役が出来上がるのが遅いタイプで(笑)。最初に台本を読んだ感じで「こうしようかな〜」と思っても、その翌日には全然違ったものになっていたりするので、開幕するまで試行錯誤です(笑)。

大野:お芝居は周りとの掛け合いで出来上がっていくので、周りが出来上がらないと自分も出来上がらないものだよね。自分だけが先に完成するとか、ないもんね。

真彩:そうなんですよね。でも変わらないのは“音楽への愛”です。様々な職業がある中で、私たちはミュージカルというものに出会っているわけで、それはまさに“神様からのギフト”だと思っているんです。同じく、クリスティーヌも様々なヒロイン役の中で最も音楽に愛されている女性だと感じているので、その共通項を大切にしていきたいですし、そこから変化が生まれると嬉しいですよね。

sara:私はクリスティーヌを演じることになったときに、【すごく魅力的、そして慎重に自分のやりたいことをしっかり持っているけれど、好奇心も旺盛で少し危なっかしいところもある】子だと思いました。等身大だし、あらゆるものから影響を受ける素直な心も持っているので、とても純粋だとも思います。

さっき大野さんがおっしゃったように、自分だけではなく、様々な存在の影響を受けて初めて“クリスティーヌが立ち上がる”と思いますので、お稽古場でも本番でも、あらゆるところからエネルギーを受け取りながら、自分が想うことをピュアに出していきたいと思います。それがクリスティーヌの真髄でもあるのかなって。そういった感じはブレずにやりたいと思います。