春はハイライターが豊作だと申し上げた気がするのですが、下半期は「シェーディング」の新作がものすごく出て来ています。時代が動いている、という感じです。メイク界の美意識が、色やらで盛るメイクではなく、もともと持っているそれぞれの骨格を活かす、ベースメイク重視の陰影コントロールメイクに、「ゴゴゴゴ……」と音を立てながら移行している感じ。さまざまなブランドが「個性」や「自分美」を謳い、その答えは骨格なんだ、とおっしゃる2023AW。イガリさんの連載も最近「骨格」の話になって来ていますが、さすが「トレンドを肌でかぎ分ける」イガリさん、と改めて驚いているところです。そんな「時代が動いてる感」を感じさせた新作のひとつである、今週のお助けコスメがこちらです。

シェーディングというと茶色の絵の具で顔に影をお絵描きしているような不自然さが苦手という方も少なくないんじゃないかと思うのですが、こちらファンデっぽい「白み」のない、透け感のある「影」でできたシェーディング。リップスティックのような練り形状で、ぼかしもなじませも簡単かつ自然。シャドウオンフェース 【01 Gimmick Taupe】¥3300(8月4日発売)/KANEBO
 


光だけのせるハイライトはあったのに、影だけのせるシェーディングはなかったな、という気づき


いよいよシェーディング・ハイライトがメイクの必修科目になってきた感じがあります。極端に言えば、今のメイクってアイシャドウのグラデ塗りができなくてもいいから、肌の陰影はつけられたほうがいいかも、というような優先順位。シェーディングって難しいという印象を持っていたりして、実はトライしたことがないという方も、ついに手に取る大きな潮目に来ているような気がしています。でも、そんな世の中には、「失敗知らずの名品」の登場が待たれますよね。

手の甲にこちらのスティックシェーディングをぐりぐりと5往復してみました。ご覧の通り、茶色を塗ったというよりは、セミマットの「影」をのせたという雰囲気。5往復でやっとこのくらいですから、ひと塗りならさりげない影感です。スティックタイプのツヤっと光だけのせるハイライターはあったのに、そういえば、それのシェーディング版はこれまでなかったですよね。シャドウオンフェース 【01 Gimmick Taupe】¥3300(8月4日発売)/KANEBO
今回のせてみたのはこちらの箇所。スティック直塗りのあと指で境目をぼかしました。最後にあご下を、帽子のあごひもをかけるように半周ぐるりとスティックでなぞって、指でささっとなじませました。
左は先日、ヒオカさんの取材について行って大江裕さんと記念撮影させていただいた時の、浮かれているわたくし。右は、シャドウオンフェースで陰影をプラスしたわたくし。右はちょっとやせて見えますが、なんなら昨日もお酒飲みましたし、実際はちょっと浮腫んでるくらいです。でもわざとらしくないですし、表情が際立つ感じじゃないでしょうか? 特に鼻下とあご下はかなり効いてる感じがいたします! ほんの少しだけキリッとしたい、という方にはおすすめかなと思いますので、よろしければお試しになってみてください。

 


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