松川るい参院議員ら、自民党の女性局メンバーによるフランス研修旅行が大炎上しています。政治家に限らず、いわゆるエリートと呼ばれる人たちが、自身への批判に対してさらに反感を買うような対応を行い、炎上が止まらなくなるケースが増えています。これはリーダーが国民に対してどう振る舞えば良いのかわからなくなっているという証左であり、深刻な人材劣化の問題があるように思えてなりません。

2016年7月の参院選に出馬、街頭演説に立つ松川るい氏。写真:坂本照/アフロ

松川氏らは7月下旬、少子化対策などの実状を学ぶため、フランスに研修旅行に出かけました。その中で松川氏らはエッフェル塔など観光地で写真を撮ったのですが、その写真があまりにも行楽気分丸出しだったことから、国民から大きな批判が巻き起こりました。

 

それだけならよくある話なのですが、松川氏がその批判に対して取った対応が最悪だったことから、炎上がさらに拡大する事態となっています。

松川氏は一連の批判に対して、「私のSNS投稿のせいで、中身のある真面目な研修なのに誤解を招いてしまっており、申し訳なく思っております」と、国民に対してではなく、同僚の議員や自民党に対して謝罪するような言い方で、まるで誤解した国民の方が悪いと言わんばかりの対応を行いました。


同じく旅行に参加していた今井絵理子議員も「旅費についても党の活動ですから党からの支出と、参加者の相応の自己負担によって賄われています。先のベトナム訪問についていえば税金を原資としたお金は1円も支出していません」など、国民感情を逆なでする発言を行っています。

説明するまでもなく議員歳費はすべて税金であり、政党の収入も多くが政党助成金ですから私たちの税金です。この事実を両議員が知らないわけがありませんから、あえて国民に喧嘩を売っているとしか思えません。

今回の件に限らず、政治家など社会のリーダーが国民からの批判にさらされた際、火に油を注ぐような対応をして、さらに状況が悪化させるケースが後を絶ちません。近年、日本のリーダーの質が低下しているという指摘をよく耳にしますが、今回の松川氏らの対応を見ていると、やはりそうした事態が進展していると思わざるをえない状況といえるでしょう。