<かけ算3>
一般事務 × 社労士 = 手続きや給与計算が得意な社労士

 

少子高齢化による人手不足などを背景として働き方の多様化が進む現在、副業や兼業を解禁する企業が増加傾向にあります。また、国は「社会人の学び直し」に力を入れる方針を示しており、企業の人事・労務において取り組むべき課題が年々増えている状況にあります。

そのような中で、実はじわじわとニーズが高まっているのが「社会保険労務士(以下、社労士)」です。私も社労士として仕事をしていますが、その経験から言えば、一般事務の経験やスキルは社労士として大きく活かすことができるように思います。というのも、一般事務は、企業の中で幅広い業務現場に接しているため、多様な労働環境を目にする機会が多いはずです。そうした経験は社労士として仕事をする際に役立ちますし、書類作成などの業務経験も、各種申請書類を作成することが多い社労士として活かすことが可能です。また、社労士の仕事は、社会保険関係の手続きや給与計算といったミスの許されない細かな作業も多いもの。そうした作業の中でも、一般事務の経験や強みを発揮することができると思います。

資格取得は容易ではないかもしれませんが、チャレンジしてみる価値はあると言えるでしょう。社会保険労務士は、士業と呼ばれる資格の中で唯一「勤務等」という登録区分があり、企業に勤めながら資格者として仕事をすることが可能です。現在の本業に就いたまま社労士として活動し、将来は独立するといった長期のキャリアビジョンも描くことができます。

 

<かけ算4>
一般事務 × 文章力やSNSの活用経験、知識 = SNS運用担当者

 

一般事務の「決まった業務を繰り返し行う」という性質を強みに、文章力と掛け合わせると、SNS運用の仕事も対応できると思います。

昨今、SNSは個人だけでなく、企業も公式アカウントを開設して運用するのが当たり前。SNSの運用ができれば、企業にとっては一層貴重な人材になります。また、SNSの運用は目立つ仕事に感じられるかもしれませんが、実際は毎日コツコツと進めていくもので、一般事務を経験した方に向いていると言えます。

個人でのSNS活用の経験から学べることは多いので、まず個人のSNSアカウントをしっかり動かしてみましょう。ある程度のフォロワー数まで増やすなど目標を設定して日々改善を行えば、企業でのSNS運用の前段階として貴重な経験が積めるはずです。ただ、個人でSNSを利用するのと、企業がSNSを活用するのでは、意識するポイントが違います。企業のSNS運用を行う前には、SNSエキスパート検定などで学ぶのが効率的だと思います。