<かけ算7>
一般事務 × レセプト = 医療事務

 

事務経験を活かしつつ、専門性を上げる方向で考えられるのは「医療事務」です。医療機関での受付・会計・診療報酬請求業務が主な仕事内容で、医療費の計算などにも関わることから、一般事務の全般的なスキルをもとに専門業務へとシフトすることができます。

医療機関は、地方も都心も、その地域に密着する形で存在しているもの。医療事務の仕事に移行するメリットとしては、家庭の状況に合わせ、自宅に近い職場で働ける点が挙げられます。ただ、小規模な医療機関の場合はある程度の即戦力が求められることが多いため、レセプト(診療報酬明細書)作成などについては、事前に学んでおく必要があるでしょう。

医療事務資格の種類は数多く存在しますが、代表的な資格は受験者の多い医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)です。各種の資格スクールで講座が開設されていますし、資格の種類についても比較されていますので、興味のある方は確認してみてください。

 

<かけ算8>
一般事務 × 簿記 = 経理

 

一般事務に従事する方の「細かい部分まで正確に仕事を遂行できる力」は、ひとつの強みです。その強みを活かすなら、経理の仕事を視野に入れてもいいかもしれません。

もしも経理の仕事へのスライドを考えるなら、できれば現在の業務の中で、出納など経理に関する業務に関わって経験を積んでおくと良いでしょう。(経理はひとつの専門職のため、転職をする際は、やはり未経験よりは経験者が優遇される傾向があります。)

経理の仕事を検討するなら、取っておきたいのが簿記検定の資格。電卓と紙で受験するイメージがあるかもしれませんが、日商簿記検定試験(2級・3級)は既にCBTに対応(もちろん、従来通り、紙での受験も可能)。自分のペースで勉強&受験できるので、忙しい社会人にも受けやすくなっています。

<今回のまとめ>


今回のかけ算を考えてみて、一般事務の仕事の中にも実はいろいろな強みが秘められており、多様な可能性を開くことができると感じました。PMOやRPAエンジニアのような、一見すると一般事務から大きくかけ離れているように感じる職種も、仕事内容を細かく分解し、活かせる部分がないかを考えていくと、実現可能性が見えてくることがあります。今回ご紹介した以外にも、さまざまなキャリアを描くことができると思います。ぜひ自分だけのかけ算をつくってみてください。
 

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写真/Shutterstock
構成・文/市岡光子
 

 

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