現在、連続テレビ小説「らんまん」(NHK)に出演し、数々の作品で高い演技力と強烈な存在感で視聴者を引き付ける俳優の坂口涼太郎さん。俳優以外にも、ダンサー、シンガーソングライターなど、表現者としての活動を続けています。バラエティー番組ではその天真爛漫でテンション高めなキャラクターが大きな話題に。奇抜で個性的なファッションやメイク、ポジティブなマインドも支持を集めています。今回はそんな坂口さんに、常に個性全開で表現する秘訣について伺いました。

第1回「「容姿のコンプレックスだらけだった」坂口涼太郎が違いこそ宝物だと気づいた理由」>>

第3回「ジェンダー・平和・政治...「知るからこそ思いやれる」俳優・坂口涼太郎が社会問題を語る背景にあるもの」>>

 

坂口涼太郎
1990年8月15日生まれ。兵庫県出身。特技はピアノ弾き語り、ダンス(ジャズ、バレエ、コンテンポラリー、ヒップホップ)、英語(特に発音)、短歌。朝の連続テレビ小説「なつぞら」「エール」「おちょやん」「らんまん」(NHK)、映画「ちはやふる」シリーズ、世にも奇妙な物語(フジテレビ)、罠の戦争(カンテレ)、「18/40〜ふたりなら夢も恋も〜」(TBS)など話題作に多数出演。俳優のほか、ダンサー、シンガーソングライターとしても活動。独創的なファッションやメイクが話題を呼ぶ。
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ーー男らしさ、女らしさの規範もだいぶ薄れてきて、最近はメンズの美容も注目されるようになってきましたが、自由にメイクやファッションを楽しまれている坂口さんでもステレオタイプの抑圧を感じることはありますか?

 

坂口涼太郎さん(以下:坂口):洋服が好きで、普段から変な服って呼ばれるような服や、時にレディースものを着ているんですけど。服飾の学校で派手なファッションをしている頃は、通りすがりに舌打ちされたり、わざとぶつかってこられたりとか、露骨にありましたね。でも最近は昔よりなんだか穏やかになってきた気がする。やっぱり視線を感じる時はありますけどね。

ーー私もすごく派手な服とか奇抜なメイクが好きなんですけど、自分を全開にしたいっていう気持ちと、でもなんかちょっと怖い……みたいな、自分を抑える気持ちってアンビバレントに存在するんです。目にラインストーンを貼ったりとかするんですけど、ちょっとやり過ぎと思われないかな? と不安になってしまうんです。そういった迷いを消し去るために、どうしたらいいでしょうか?

坂口:マイナスな反応をしてくる人って、別に今後は関わらなくないですか? そこで「はい、終わり」っていうか。なんか、どうでもよくないですか。職場とかずっと同じところで一緒にいて何かをやらなきゃいけない場合だと、またキツいものがあるのかもしれないけど。それなら、一緒にやっていくからこそ「私はこれが好きなんです」「私はこういう人間なんです」って言っていいと思う。

自分をバーンッて押し出すことで、「えーかわいい! なんですかそれ!」とか、「素敵ですね」って言ってくれる、同じものが好きな人が割と集まってくるんです。強く否定されることと、強く引き寄せられて惹かれることって、同時に起きるんですね。やっぱりぼやっとしてると、わかりにくいじゃないですか。