「いじり」をいじめと捉えてもOK?


Q. 「いじり」と称して言葉のいじめに遭っている。被害はどう証明すればいい?

A. いじられた本人が苦痛と感じていればそれはいじめです。客観的証拠をできるだけ集めて。

 

「いじり」により傷ついている場合の対応、難しいですよね。

「いじめ防止対策推進法」では、「いじめ」とは、対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものと定められています。また、文部科学大臣決定による「いじめの防止等のための基本的な方針」では、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、いじめられた子どもの立場に立つ必要があるとし、いじめられている本人がそれを否定する場合が多々あることを踏まえ、子どもの表情や様子をきめ細かく観察して確認する必要があることなどが明記されています。

ですから、たとえ相手が「愛あるいじり」などと行為を正当化していても、子どもが「いじり」により心身の苦痛を感じているなら、それは「いじめ」に該当し得るのです。

言葉による「いじり」は罪悪感が小さい心理状態のもとで継続し、徐々にエスカレートする可能性もあり、看過できません。その場合、学校にも報告し、対応を相談する必要があるでしょう。

「いじり」は証拠として残りにくい傾向があるため、事実関係を明らかにする必要があります。

まず、子ども本人から、いつ、どこで、誰に、何と言われたか、正確に聴き取るのが重要です。周りに誰がいたかも確認できると、目撃状況を確認したい場面で役立ちます。

過去の出来事について正確に話すのはなかなか難しいので、何かある都度、その日のうちに詳しく話を聴き取って記録しておくと、その積み重ねが重要な証拠になると思います。

できるだけ客観的な証拠を集めるという視点も大切です。たとえば、相手のメール、SNS投稿、状況を見ていた友達の話、録音や録画などです。

「いじり」は、加害者側が「いじめ」であるという認識をもっていないことも多いために話し合いがスムーズにいかないこともあります。話し合い等の進め方についても、弁護士に相談するなど慎重に対応するのがよいと思います。