字を通して心を整える


スピーディーな情報社会に生きる私たちは、常に何かを考え、やるべきことに追われている。24時間心が散らかっているといっても過言ではないでしょう。だから、精緻でありかつ洗練されたshunpuさんの字を眺めたくなるのかもしれません。

そう、私たちはきっと整いたいのです。それは昨今の整いブームを見ても明らか。そこでshunpuさんに、自分たちも日頃走り書きしている字を少し丁寧に書くことで、心が整ってくるかどうか尋ねてみました。

「何らかの心の変化はあると思います。オススメは、止めるところは止める、ハネるところはハネる、ということ。これだけやってみるだけで、字は相当綺麗になると思いますよ。あとは、漢字の中のスペースを等間隔にするといいと思います。たとえば漢字の『三』なら間の幅を同じにする、『田』なら四つの四角に同じサイズの〇が入るようにするんです。これがちょっとズレると、字は一気に散らかった印象になる。それはもしかしたら心にも影響を与えるかもしれませんね」

 

shunpuさん自身、まだまだ心や体調の整い具合によって、理想の字が書けるときと書けないときがあるそう。

「ただ集中して書いているうちに、心が無になってスッキリする。それで、『今日も無事終わり』という感じですね(笑)」

そんなshunpuさんに、今後も追求していきたいと思っている“理想の字”について伺ってみました。

「僕は芸術的な文字より普段の文字をいかに綺麗に見せるかといことに興味があります。言い換えれば、誰もが真似できる字、とも言えます。そのためには万人に綺麗に思ってもらえることが必要なので、もっともっと癖のない字を追求していきたい。それを見てもらうことで、綺麗な字を書けるようになりたいと思っている人たちの助けになれたらなと思っています」
 

 

『誰でも美文字』
shunpu著 主婦の友社 ¥1500

Instagramで人気のshunpuさんによる初の著書。美しい文字を書くためのコツやルールが、細かく分かりやすく、かつスタイリッシュにまとめられています。『誰でも美文字練習帳』も付いており、誰でも簡単にshunpuさんの美文字を真似できるようになる一冊です!


Shunpu/俊風
幼少期より書道教室に通い、書道に親しむ。独学で文部科学省後援書写技術検定一級を取得。SNSを通じて、読みやすく気持ちが伝わる整った手書き文字の書き方のコツや、自身の作品を発信し、人気を集めている。本業はアパレルサラリーマン。Instagram:@shunpu  YouTube:@Shunpu


文/山本奈緒子
構成/藤本容子