先日、お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さん(37)が、タレントの奥森皐月さん(19)と“年の差婚”をしたことが大きな話題となり、SNSでは「年の差恋愛」に関する白熱した議論が展開されました。一般的に10歳以上の年齢差がある場合を“年の差”と表現するようです。

芸能界には年の差カップルはたくさんいて、中には女性が年上というカップルもいますが、圧倒的に「男性が年上」のカップルが多い印象です。世の中には、男性が年上のカップル・夫婦が圧倒的に多いし、広告やCMでも男性が一回り以上年上の夫婦が出てくることが結構ある一方、その逆はほぼない気がします。

筆者は20代ですが、筆者の同年代の子から、40代や50代の男性から口説かれたという話はよく聞きます。娘くらいの年の20代を恋愛対象として見る40代以上の男性って、実際本当に多いんです。でも逆に、女性が息子ぐらいの年齢差の男性を恋愛対象として見て口説くことって、ほとんどないんですよね。

 


“女性が年上”の恋愛はNG? 複雑な気持ちになったセリフ

 

今期のドラマでも、恋愛における男女の年齢への意識の違いを感じさせられるシーンがありました。広瀬アリスが30歳の大学生を演じる「マイ・セカンド・アオハル」(TBS系)では、広瀬アリス演じる白玉佐弥子は、建築家の日向祥吾(安藤政信)に惹かれ、何度かデートします。公式サイトに日向の年齢は記載されていませんが、血の繋がっていない大学生の娘がおり、少なくとも佐弥子より10歳は年上だろうと推測されます(日向を演じる安藤政信さんは48歳。広瀬アリスさんは28歳ですから、その年の差は20歳!)。

そんな佐弥子は、同じシェアハウスに住む20歳の大学生、小笠原拓(道枝駿佑)との関係を他のシェアハウスの住人に聞かれたとき、「10歳も年下の子が、私を恋愛対象として見るわけがない」と言うんです。その後も、ことあるごとに「私なんて、30歳だから」ってめちゃくちゃ言うんですよね。

拓が20歳の大学生だからか? とも思ったけれど、佐弥子が日向に出会って惹かれたとき、佐弥子は今の拓と同じ20歳で、日向は30代。同じ20歳と30代の恋愛でも、男性が年上なら自然に受け入れられて、女性が年上だと「ありえない」になるのって不思議です。しかも、佐弥子の周囲も、いや10歳以上年上の日向さんに恋してたやん! とはつっこまないんですよね。

これも、“男性が年上”の年の差恋愛はOKで、“女性が年上”の年の差の恋愛はNGっていう、思い込み・刷り込みからくるものなんじゃないかなって思うんですよね。実際、世の中には男性が10歳以上年上の夫婦はたくさんいるけど、その逆はすごく少ない(※)ですから。
厚生労働省「初婚夫妻の年齢差別にみた婚姻件数・構成割合の年次推移」によると、妻が「4歳以上年上」の比率は全体の6.1%。10歳以上となるとさらに少なくなると思われます。一方、夫が「7歳以上年上」の比率は全体の10.5%でした。


結局その後、佐弥子と拓は惹かれ合うわけですが、「男性が年上はスタンダードだけど、女性が年上はイレギュラー」という考えを無意識にインストールしている佐弥子の姿に複雑な気持ちになりました。