そんなコンセプトを知った上で改めて聴くアルバム「ルネッサンス」は感慨深いものが。例えば『COZY』の

彼女は今まで経験してきた全ての苦難をサバイブして死ぬほど自信がある。私はありのままの自分が気に入っているし、すごく居心地がいい

という歌詞は、ビヨンセが到達した現在の心境をそのまま描いているんですよね。

「RENAISSANCE WORLD TOUR」より。写真:REX/アフロ

「今まではずっと他人のために生きてきた。他人を喜ばせることに時間を使ってきたの。だけど40代になって、ようやく自分が喜ぶことだけをすることに罪悪感を覚えなくなった。人生を楽しめるようになったの」

劇中で打ち明けるビヨンセに、しんどかったのは私だけじゃないんだなあと。彼女みたいに自信に満ち溢れて何もかも手に入れたように見える女性でも、私たちと同じように生きづらさを感じていたのですね。そんなビヨンセのモノローグ、我々mi-mollet世代には特にグッと来るものが。「私たち、よくがんばってここまで来たよね」。シスターフッドという言葉が頭をよぎります。

 


この作品は、スーパーセレブのビヨンセが、すべての女性たち、そして生きづらさを感じている人々に贈るエール。自分らしく生きることを全肯定してくれるビヨンセは、やっぱり「Queen Bey」の名に相応しい、みんなを導く女王なのであります。

「RENAISSANCE WORLD TOUR」より。写真:REX/アフロ

余談ですが、今回の映画では夫のJay-Zがかなり置き物化していて、エンドロールのクレジットでもいちばん最後の感謝を伝える人リストの中に子どもたちと一緒に申し訳程度に名前が入っているだけだったのが気になります。アルバムのクレジットにも、見たところ名前がなかったし。過去の浮気を許して双子を産んだけれど、やっぱり一度ヒビが入った関係は、元には戻らなかったのかしら。などと勝手に想像してしまったのでした。

長くなりましたが、こちらは声出し上映なので拍手したり友人と盛り上がったりしながらイベント的に観るのもおすすめ。そして観る前は3000円って高いなあと思っていたのですが、観賞後は「これが3000円でホントにいいんですか?」という気持ちになるほど素晴らしいパフォーマンス&ステージでした。ひとたび上映が始まれば、そこはもう、ビヨンセが作り上げたディスコ空間。観客全員で楽しむエンタメ体験を、この機会にぜひ!
 


【ラジオ出演のお知らせ】さかいもゆるさんがTokyo FM「Blue Osean」に出演します!
Radikoからタイムフリー視聴も可能です。皆さま、ぜひお聞きください!

1月30日(火)Tokyo FM「Blue Osean」(9:00〜11:00放送)
「Welcome ビッグアーティスト5!Blue Ocean Meets 〇〇!」
テイラー・スウィフト特集

 

 

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