——そのような状況だから、小学校入学時に仕事の継続が難しくなってしまい、仕事を辞めざるをえない方が少なくないのですね。

国が放デイを2012年度に事業化し、普及してきました。とはいえいまだに、小学校就学時の壁は大きな問題です。

娘が今もお世話になっている(※大抵の放デイは、高等部卒業の18歳まで通うことができます)放デイの施設長さんによると、娘が入ったころは、働いている母親は4人で、専業主婦が20人でした。

ちょっと前に伺った話ですが、今では逆転し、専業主婦が4人だそうです。ところが、正社員となると10年前も今も変わらず4人。よほど運がよくないと正社員を続けることはできず、本当はもっと働きたい人がほとんどじゃないでしょうかと、施設長さんはおっしゃいます。

私も同感です。育児を手伝ってくれる祖父母が近くにいる、たまたま配属先の上司に理解があったなど、運や縁に恵まれた人だけでなく、どんな人も安心して働き続けることができる社会になってほしいと願います。

大きな枝を見つけてはしゃぐ娘。今でも長い棒が大好きです。

——その後、娘さんが通うことになる小学校は、どのように見つけ出したのでしょうか?

公立校を見て回ったものの、娘が穏やかに過ごせそうな育ちの場が見当たらず、途方に暮れました。

いてもたってもいられなくなった私は、子が5歳になると実施される地元の教育委員会の就学相談を待たずに、まだ娘が3歳だった時点で教育委員会の門をたたきました。

教育相談に連れて行った娘の様子を見たベテランの先生が、開口一番に推薦してくださったのが、私立特別支援学校愛育学園でした。