【ART MON ZEN KYOTO】

 

もう一つの隠れ宿は、古美術商が軒を連ねる古門前に位置する「ART MON ZEN KYOTO」(アール モンゼン キョウト)です。こちらの魅力は、京都随一の美術商、中西松豊軒がこだわりにこだわってプロデュースしたこと。

 

館内は随所に美術品が飾られ、さながら美術館のごとし。しかも、美術品が置かれているのは、パブリックスペースだけではありません。15室のゲストルームにも、それぞれ異なる作品が置かれ、アートを一人占めして眠るという贅沢を実現できるのです。

もちろん、見るべきは美術品ばかりではありません。インテリアそのものから、アメニティなどのディテールに至るまで、すべてに注力されているのです。まず、すべての部屋が天井高3mとゆったりとした洋室ですが、京都の職人たちが選び抜いた名木を使った柱があったり、なぐりの床材など、数寄屋造りの様式を随所に取り入れることで、心落ち着く造りになっています。また、ベッドは世界中のホテルで愛されている「シーリー」の最高級ライン。リネン類はイタリアの最高峰リボルタ・カルミニャーニ製で肌に吸い付くような滑らかさ。バスタブはゆったりとしたアルティスのバブルバスが全室に備えられていて、体の芯から癒されることでしょう。

 

 

また、食にもなみなみならぬこだわりが。レストラン「The TERRACE & BAR」で、朝食、ランチが楽しめ、土曜のみ、ディナーもいただけます。
新しく生まれ変わった朝食は、旬の食材を生かしたこだわりの一品をコース仕立てで提供、特別な一日の始まりを演出してくれます。
 

 


また、ウェルカムドリンクがサーヴされるのは、御簾を設え、檜の香りも心地よい空間「天外」。週末には、選りすぐりの骨董の酒器で日本酒を楽しめる「THE BAR-SAKE」へと変わります。
カフェタイムには、昨年からアフタヌーンティーも始まりました。季節ごとに様々なテーマが楽しめるのが魅力で、現在は「ロゼスパークリングアフタヌーンティー」と題して、春らしいロゼカラーをテーマにしたスイーツやセイボリーが並びます。

 
 

京懐石が希望であれば、知る人ぞ知る名店、別館にある「祇園 松むろ」もおすすめです。要予約で京都の素材を駆使した美しい料理が、五感を喜ばせてくれることでしょう。

 

ART MON ZEN KYOTOに宿泊したら、ぜひ、時間を作って隣接する中西松豊軒のギャラリーを訪れてみてください。お茶、能、狂言、舞踊などに使われる選りすぐりの美術品が揃っており、作品についても丁寧に解説してもらえます。京都の旅が一歩も二歩も深いものになること間違いなし。大人の京都旅を目指すなら、恰好の隠れ宿です。

 

宿名:ART MON ZEN KYOTO
住所:京都府京都市東山区古門前通大和大路東入元町 391
電話:075-551-0009
http;//www.amz-kyoto.jp/

 
著者/小松宏子
構成/藤本容子

 
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