ありのままの自分でいるために学んで掴んだセカンドキャリア


とは言え、フリーランスのアナウンサーとしてのキャリアもしっかり築いている内田さん。

「アナウンサーと言ってもその内容は多岐にわたります。イベントの司会からナレーション、昨年は医療分野の国際会議の司会進行を英語・日本語の二カ国語で行う仕事を受けてきました。ファーストキャリアでアナウンサーという仕事に出合えたたことには感謝しかありません。自分の生活に合わせて仕事は続けていきたいですね」(内田さん)

 

そして、つい最近、新しいことにもチャレンジしているとか?

「コロナ禍に出合ったのが『マインドフルネス』というメンタルケアのスキルです。元々は臨床心理士に以前から興味があり、大学院を受験するために勉強をしていた時に、近代心理学で出てきたマインドフルネス。『これだ!』ときましたね。今ここでマインドフルネスを学ばないと、きっと後悔するだろうと思いました。

私が教えるマインドフルネスはMBSRというストレス低減法。医学博士によって開発された医学的エビデンスに基づいたプログラムで、心の心理学と頭の脳科学をつなぐブリッジのようなものです。私たちは日常のほとんどが外に意識が向いています。スマホを眺めていたり、PCと向かい続けたり、人の話に相槌をうったり。
そういう自分自身と客観的に向き合うために、メディテーションを行なっていきます。自分の行動や思考のパターンが分かるようになり、感情や思考と距離をとるスキルを学ぶことで自分のメンタルが整えられるのです。フィジカルを整えるのと同じように大事なことなのです。

海外ではカウンセリングやセラピーが身近にあるのに、日本はメンタルを語るという文化がまだ根付いてなく、一般化しづらいところ。変化が多い現代においては、元気な人でもメンタルをきちんとケアして鍛える必要があります。その強い味方となってくれるのがマインドフルネスだと思います。

マインドフルネスを学ぶならやはり海外が主流。コロナ禍でしたのでオンラインで受講できるところを探し、マサチューセッツ大学でまずはMBSRを自分でとってみて、もっと深く知りたいと思い、ヨーロッパ最古のマインドフルネス機関であるIMA(Institute for Mindfulness-Based Approaches)で国際基準のMBSRの資格を取りました。1年半をかけて、授業と週一のグループスタディーを得て、まるで学生生活を再び! 的な感じでしたが、世界中の素晴らしい先生や、いまだに助け合っている仲間とも出会え、かけがいのない時間となりました」(内田さん)

「大学の授業は時差があるためほとんど夜中(笑)。家族が寝静まった中、ひとりで黙々と勉強していましたね。大変でしたが、講師も素晴らしい人ばかりでした。授業の中で先生が教えてくれた言葉は、私のマインドフルネスの礎になっています」(内田さん)


卒業とともに資格を取得し、今は少人数制のマインドフルネス講座を開いているそう。昨年は一般向けのワークショップやワンデーリトリートなども開催し、好評だったとか。

「マインドフルネスの瞑想は、この瞬間に対する『集中力』を高めるスキルです。集中力が高まってくると、自分の心や体が発しているメッセージやサインに気づくことができるようになり、今、どんなストレスに晒されているかもわかるようになるんです。結果、その場によりそった行動や思考ができるようになるんです。

私が注目したのは呼吸法です。日本人は真面目で自分のケアがおろそかになりがちでしょう。ストレスが溜まり、『呼吸がうまくできない』と悩む人が多いのです。1日5分でもいいので呼吸を整えると心の安心を得られるんですよね。現代人は自分が自分らしくいられるための大切な時間を意識して作ることが大切で、私は『心の筋トレ』と呼んでいます」(内田さん)


内田さんのマインドフルネスのアカウントはこちら>>
kikimindfulness.official

 


きれいも大事だけど、健康でいられるための30代からのルーティン

 

ツヤのある肌や美しい佇まいなど、年齢を感じさせない内田さんの美のルーティンに興味津々。自身も気をつけているのは「心地よいモノやコトを取捨選択するようになった」と内田さん。

「きれいも大事ですが、まずは健康でいられること。自分自身が心地よくいられるために必要なモノを取り入れるようになったら、体調がよくなりました」(内田さん)。そのいくつかを紹介します。

漢方は10年以上の付き合い
「2人目の出産後、体調がなかなか戻らなかった時があって。夕方に一度寝ないと1日が乗り切れないほど体力も落ちてしまい、その時に出合ったのが漢方でした。抜群の処方をしてくださる先生と出会い、1ヵ月に一度はその時の体調に合わせて生薬を処方してもらっています。かれこれ10年以上の付き合いです」(内田さん)


お風呂は必ず湯船に浸かっています
「1日の疲れを取る意味でも湯船に浸かっています。11種類の生薬の入った入浴剤を入れてゆっくり浸かること20分。体も気持ちもすっきりします」(内田さん)
 


香り好きが転じてアロマブランドを作りました!

「植物療法士のセラピストKeikoさんにお願いして、メディテーションにぴったりの香りを調合していただいたことも。香りとマインドフルネスは親和性が高く、深い呼吸をする際に助けてくれるんです。イチオシはサンダルウッドの香り。マインドフルネスのレッスンでもアロマを焚くこともあります」(内田さん)

 

元は医療現場で発展して、日本でも一般的にも徐々に広がりつつあるマインドフルネスの発信者として精力的に活動しているそう。「より豊かな生活、人生を送るためにもぜひ!」と語る内田さん。同世代の活き活きとしたセカンドキャリアを一緒に体験してみませんか?


人物撮影/後藤渉
撮影(その他)/内田恭子
ヘアメイク/佐藤健行(HAPP’S)
取材・文/長谷川真弓
構成/國見香
 

 
 
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